パリ8区(rue Tronchet)のブロカント | 2019/01

デパート街の西端とマドレーヌ寺院裏を結ぶ道沿いでのブロカント。
ここに前に来た時は秋だった。

テキスタイル専門スタンドで見つけた、食料品店の布袋。
製菓用小麦粉1kgの量り売り用、と書いてある。

フォントもレイアウトも好きなタイプと思ったら、やはり1920年から1930年代あたりの品物だった。

最下部に小さな文字で、「この袋を使って、すてきなハンカチーフを作りましょう、印刷文字は洗濯すれば消えます」と。
危なかった、読まずに洗っちゃったら、ただの白い袋になるところだった。

8年ほど前に、アール・デコの缶をただの缶にしてしまった失敗を思い出すな…あの頃よりは少し成長した気がする。

小麦粉用の袋は目が詰まっていて薄くて丈夫。おまけに再利用してハンカチになる袋ときたら、当時の賢い消費者は買うだろうな(純白の新品の綿ハンカチが高級品だった時代)。昔の小売店の販促キャンペーンだ。売り主の夫婦は、「うちの近所にあった食料品店のもの」と言っていた。


あらゆるジャンルの品物が雑多に並んだテーブルで、錫色のナイフ置きを4点見つける。

動物の形のナイフ置きがなぜか好きで、これまでにもいくつか集まっている。
キツネっぽいのとか、面取りの猫とか。

今回見つかったのは、左から猫、豚、狐、象。1900年ごろの品らしい。

がんばってお腹を引っ込めている風の豚。ちょっと細長いけれど、まあ今年の干支なので許そう。

しかし、象、君は胴が長すぎる!こんな象は見たことない。
ナイフ置き6本セットの4本足の動物ネタが尽きて、ヤケクソで象をあてがったとしか思えない。良すぎる!

同じスタンドで、犬のナイフ置きも2つ。こちらは1970年代生まれで、金属メッキ製で軽い。

何度か見かけたことのある女性のスタンドでは、これまた何度か目にしているマスタード容器を見つけた。

ずっと前からいいなと思いつつ、常に高価で今まで買わずにきたので、スタンドの主の言い値に驚いて耳を疑った。
6割引くらいになっている。本体が1度割れて修復した痕があるのだけれど、うまく接着されているので、そんなに気にならない。

1900年ごろの磁器製。
グリーンの容器に白猫がよじ登っているデザインで、白猫は容器本体の持ち手の役割も担う。

神妙なお顔でマスタードの品質を見張ってくれている、なんと心強いことだ。
こんなに顔を近づけたら鼻がツンとして痛いのでは、と心配になる。あ、だから神妙な面持ちなのか。

スプーンはついていなかったけれど、小さいスプーンなら山ほど持っているので、その中から雰囲気の合いそうなのを選べばいい(集合写真のスプーンはいつ買ったか忘れた、2006年のオランダ旅行かな…)。