ル・コルビュジエ建築探訪その2 | Maison La Roche

サヴォア邸見学のあと、途中La Défenseで下車して新凱旋門を見たりしてから、パリ16区にあるMaison La Rocheへ。

公道から延びる下り坂の小道の、奥にある建物がラ・ロッシュ邸(隣に続くジャンヌレ邸部分は、ル・コルビュジエ財団の事務所として使われている)。

先客の団体は建築系学生のアジア人(タイかな)のようで、みんなそろって全身を真っ黒な服でキメていて、はじめは制服なのかと思った。そして超高級なカメラで熱心にバシバシ撮影していた。

床のタイルとか壁の電灯とかがいちいち素敵。でもこういうのを、フランス人はあまり素敵と思っていなかったりする。というのは、コルビュジエの影響があまりに大きくて、1970年代以降の公団住宅がだいたい全部こんなデザインになっちゃったから。ディティールが「公団みたい」と思う人も多いはず。
とは言っても公団はこんなに天井が高くないし、窓ガラスも大きくないので、空間としては全くの別物なのだけれど。

ラ・ロッシュ氏は、自身の絵画コレクションを飾るギャラリー兼自宅として、この邸宅の設計をコルビュジエに依頼した。ギャラリー部分が建物の心臓部であり、最大の見どころである。

このスロープの上りが、なかなか脚の後ろ側のスジに効く感じなのだが、絵画をゆっくり鑑賞しつつ上階にたどり着くというのは、悪くない。屋内散歩が楽しい。

それにしても天気が良すぎたので、窓の外が白飛びしてあまりうまく撮れた画像がない。午前中か、曇りの日に来た方が良さげだ。

スロープを上がりきったところの小部屋。

屋上庭園からの眺め。

什器とか金具類にどうしても目がいく。帽子置きの可動式フックの横棒が、円筒でなく角ばったところなんて愛らしくて大好きだ。

入り口からすぐの玄関スペースは吹き抜けで開放的。サヴォア邸と同じく、ここにもミクロサイズのミュージアムショップがある。

係の女性は訪問者がインターフォンを鳴らすたびに扉を開け、かつショップの売り子もしなければならないので忙しそうだった。
帰り際に、なんだか忙しそうだけどがんばってと言うと、「今日が初出勤なので余計に色々分かっていなくて」との返事。ただでさえ慣れない初日にこれだけの人数が一気にやって来て、しかもそれぞれがこまごまと買い物をしているから、そりゃ大変だろう。

さて、あちこちにある、この壁の不思議な色見本のようなものが気になり始めたのだが、次の訪問先で謎が解けた。
(ここの係員の人は今日が初出勤というし忙しそうだし、あえて質問しなかった)