パリ18区(rue Ordener)のブロカント | 2022/12

シャルル・ド・ゴール空港に着陸して36時間後には、パリ市内のブロカントに向かっていた。まあまあ頭がおかしいなと自分でも思う。

この日は、日本に経つ直前に買ったパンツジャケットを着たかった。どうしても。

某発熱インナーを2枚重ね、予備のダウンベスト(せめて袖のあるジャケットにすべきだった)も持って出たけれど、やっぱり無謀。体感マイナス1℃だったんだよね、薄っぺらいウールのジャケットでは太刀打ちできんかった。

張り付いたような笑顔で震えを隠しつつ、最初のスタンドで気になった服をチェック。

実はこのディーラーAのスタンドでは、また買い物をしたことがない。いつも一応は見るんだけど、これというヒットがなかったのだ。

目を惹いたのはパイロットのものと思われるジャンプスーツ。

Éclairロゴと、Pマーク(Prestil)のジッパーがついているので、けっこう古いはず。1970年代後半から1980年代あたり。

ファスナーメーカーのÉclair社の創業が1924年で、ベルギー資本のBonduel Industrie社に買収されたのが1989年なので、少なくとも1988年までの品物である。タグの数字から推定すると、1985年かな?

腰の両サイドにポケットがなく、パンツの裾ちかくの外側にジッパー付きポケットがあるのは、パイロット仕様(操縦席に座った状態で物を出し入れしやすいから)のはず。エンジニア職ならば腰両サイドにポケットがある方がだんぜん便利だし。

さらに胸ポケットの中に、二本線の将校ワッペンが入っていた。位はLieutenant(中尉)なので、やっぱりパイロットの線が濃厚(どうしてもパイロットのツナギがほしいという強制的な希望)。

翌週末に軍ものディーラーG(ミリタリーの生き字引と呼んでいる)に会えたので、写真を見せて教えを乞う。

Gは、あんまり見たことのない色だから断定しかねると言ったけれど、Gの販売アシスタントのE(バリバリのミリヲタ若者)が、「アルファジェットのパイロット、もしくはアルファジェットのメカニック技術者」のものだと言う。

アルファジェット!あのPatrouille de France(革命記念日に3色の煙で空にリボンを描くエリートパイロット)が操縦する飛行機!

戦闘機ミラージュのパイロット服じゃないのは少し残念だけれど、アルファジェットも好きなので問題ないです。

特殊加工(難燃とか)はすっかり落ちてはいるものの、洗ってすぐに乾く素材で良い。

Aのところではもう1着、ワークウェアも買う。

グレーと鮮やかグリーンのコンビが目を惹くジャケット。

なんと、取り外し可能なキルティングのライナー付きである。細々とたくさんついたポケットがかわいい、細かいネジとか部品を入れられて便利そうだ。

ブランドタグを見ると、Carven Uniformeとある。Carvenが持っていたユニフォーム製造ラインだ。

Air Franceのキャビン・アテンダントの制服(先月のポップアップストアでも販売)や、寝台列車Wagons-Litsの制服なんかも手元に集まっているので、業務用品好きにはうれしい1着。