ここには土曜日に1人で来たのだけれど、途中で降り出した雨がちっともやまず、手ぶらで早々に退散したのだった。
うってかわって日曜日は晴天の予報で、こんどは夫と2人で出かける。
カフェのテラス席でランチ中のディーラーTに声をかけられて挨拶し、陽気なCとFのスタンドではCからショッパーの前金を渡される(現金を持っているとついつい使ってしまうので、前金を預けたいと言われた)。
人通りが多すぎるリヴォリ通りを途中で左折してヴォージュ広場へ入る。
ディーラーJのスタンドをささっと見て、そのあと友人Lのところへ。
数ヶ月前から存在を知りつつも買いはしなかった、1980年代の水着シリーズのうちの1点が、この日はなんだが気になる。チューブトップ型で、両脇下が編み上げのデザイン。
この高密度ウネウネ生地、最近見ないよね。
分厚くてややずっしり、水を吸うとさぞかし重いことだろう。私はジャケットを着るときの下着代わりに、とか思っている。
Lのスタンドのちょうど向かいにもヴィンテージ服スタンドがあるのには、前日から気づいていた。Lの友人ということがわかったので、初めて見に行ってみた。
スタンド前には見るからに高価そうなプッチのドレスが掲げられている。高いブランド物ヴィンテージしかなさそうと思っていたら、普通の値段の品物もあるではないか… 嬉々としてラック掛けの服をディグしていた私の手を、乱暴に止める1着が現れた!
ピエロ柄!
しかもニッカーボッカーズ型!
こりゃあ見逃す手はない。この日はたまたまマイメジャーを持っていなかったので、スタンドの主にメジャーを借りてウエストサイズを測らせてもらう。…いける。論理的、数字的には履けるはず。ということで、試着せずに購入(脱ぎ着がとてもめんどうな服で出かけていたのだ)。
ブランドはTer & Bantineである。あれこの名前、どっかで聞いたような… あっ、若きChantal Thomasが夫と一緒に立ち上げたブランドじゃないか?!1970年代の品物。
Ter et Bantineというイタリアのブランドが現在あるけれど、それとは別(ややこしいな)。
Ter & Bantineのほうは1967年から1975年までChantalとBruceがクリエーションを発表していた、知る人ぞ知る前衛ブランドだった。1975年にはChantal Thomasが自身の名前をブランド名にして、ランジェリーデザイナーとして活動し始める。
秋冬っぽい素材感と色だし、このパンツには黒いブーツとざっくりニットを合わせようかなと思っている。