日本でのブロカント | 2016

img_0035
今回の旅で見つけた古い物。
img_0036
奈良の商店街の中にある古物商で、業務用らしき塗りの盆がバラ売りされていた。100年ほど前の品物だという。
img_0037
旅館で使われていたものかと思って店主に訊くと、盆を裏返して中央の図を確認し、「おそらくお寺で使われたものだと思います」と。なるほど、改めて調べてみたら、これは根来盆というものなのか。方形の角を切った簡素で幾何学的な造形といい、実用に耐えるよう厚く塗り重ねられた漆といい、とても好みの品である。もう1枚買っておけばよかったかな、でも1枚だけ持ち帰って来るのも大変だったんだよね… 実を言えば専用の収納木箱ごと全部欲しかったけれど、さすがに気軽には持ち帰れないので諦めた。

根来盆の下に敷いた布は、東京代官山蚤の市に寄った時に買った、フランスの19世紀のリネン生地。春に南仏バルジャックで購入の品と同じく、元は寝具カバーだったものをバラしてあり、細長いテーブルクロスとして使える。端の方に少し目立つシミがあったせいなのか、やたらと安かった(南仏で買ったものより安いので驚いた!)。1度の洗濯でシミはほぼ目立たないレベルにまで抜けたし、とても良い買い物をした。
img_0038
黄色いベークライト製ダイスは、「アチコチズ」用にCが買い付けたもの。ポップな色の見た目を裏切る意外な重量、両手で交互に握理しめていると自然に瞑想できそうな気分になる、不思議な密度である。これはCが言っていた通り、実際に手に持った人としか分かち合えない感触。黒は早々に売れてしまい、閉店後まで残った赤と黄色とで散々迷い、結局この黄色に。いま気付いたけれど、奈良で買った根来盆と同じような、面取りの形をしている。

ダイスの上に乗っているのは、奈良の某よろず雑貨店で買った奈良の一刀彫りの恵比寿さん。左手に鯛を抱えている。夫は恵比寿さんと大黒さんがなぜか好きで(おそらくきっかけはヱビスビールの缶の絵)、これをたいそう欲しがった。「アチコチズ」でCが出品していた恵比寿&大黒コンビの木彫り像が買われて行った時に、ふと悲しそうな顔をしていたのを私は見たぞ。いや、私も欲しかったけどさ、鳥の餅型とか…
img_0039
こちらもCの買い付け品から、ボーイスカウトのターゲット・バッジ(チャレンジ・バッジ?)2個よりどり500円、かなり迷った末に蛇とトナカイ(鹿なのかも)を選んだ。バッジとかワッペンって、つい集めてしまう。
合わせて今回の案内DM制作で画像切り抜き作業をしていた時からのお気に入り、UAT航空会社の旅行鞄型ステッカーも購入。UAT(Union aéromaritime des transports)社は1949年設立、1960年代にTAI (Transports aériens intercontinentaux)社との合併を経て1963年にUTA(Union de transports aériens)航空会社となり、1989年末にAir France社に合併吸収された、今は存在しない企業。
去年のペナントといい、DMの中央に据えたヴィジュアルの品物を、毎回記念に買えている。
img_0042r
そして、東京の某古着店で出会った大物、フランス軍の作業着1882年モデル!
少し前に1895モデルの作業着をフランスで買って以来、より古く幻のヴィンテージと言われる前モデルM1882のことが気になっていたのだが、なんと東京にあったよ。しかもデッドストック。
img_0044r
Équipement Militaire刻印の平たい鼠色ボタンではなく、Mode de Parisという刻印のされた立体的なボタンが付けられている。
調べてみると、これも19世紀後半に軍用衣料に広く使われたボタンで、将校階級のボトムス類に見られることが多いという。となると、この作業着、将校用だった可能性が大きい。
img_0043r
HCの文字は所属部隊の略称なのか、着用者の名前のイニシャルなのか、謎。所属部隊の略称でCHRというのはあるんだが(Compagnie Hors Rang)、HCは見つけられなかった。病院関係かな… そのうち誰かに訊いてみよう。


追記 :
元潜水艦乗りのGに見せて「HC」について訊いた。ボタンの刻印から将校階級の持ち物の線も濃厚、ただし将校には通常は作業着を支給されない(雑用はしない)ため、何か特別な事情(部下無しで遠征、とか)で備品として持っていた1着かも知れない、と。さらに、軍隊用語の略語で「HC」には心当たりが無いので、持ち主の氏名のイニシャルだと思う、とも。将校の名前入り予備作業着かつ終始使われることがなかった、と考えると、確かに辻褄は合う。