パリ20区(Cours de Vincennes)のブロカント | 2019/06

Cours de Vincennesのブロカント自体が1年半ぶり、大通りの20区側に限っていえば、2年以上ぶりの訪問だった。今回は珍しく住民バザーではなくて、プロのみの出店。

面白い素材の軍物があるなと思ったら、夫が「ソヴィエトのスナイパーの服じゃないかな」と言う。

よく見たらラックにかかっている他の軍服もソ連で、数週間前にこぐまのミーシャ像を買ったスタンドだ、と気づく。

東西冷戦中だった1979年のもので、上下2ピース型のデッドストック(共布のパンツは写っていない)。

ロシア人でこんなに小柄な人はそうそういないのではという、小さなサイズだ。だから未使用のまま残っていたのかも。

袖は異常に長くて、銃を構えた手先まで完全に覆えるようになっている。フードも袖もボタンで固定できるシステムだけれど、ボタンホールが不良品かと思うくらい小さくて、ボタンの開閉で指がちぎれそうに痛くなる(だから未使用のまま残ったのでは)。

タグは洗濯したら読めなくなりそうだったので先に撮影(結局タグは無事だった)。上下で生地がちがうのがおもしろい。

ところで、洗濯したら水がみるみる明るい黄緑色になって驚いた。なのに服の色は落ちていないという不思議。

どうやらこの黄緑色の正体は染料ではなくて、表面にコーティングされた薬品だったようだ。化学兵器攻撃を防ぐ薬品を施されたメッシュ生地製のKZS(白樺迷彩化学戦対応服)というのだそう。40年も経っているので、薬品の成分は抜けてしまって、色素だけが残っていたのかもしれない。


ヴィンテージドレスのディーラーLをここで見かけるのは初めてだった。パリど真ん中のブロカントにばかり出ているし、端っこには出ないポリシーなのかと思っていた。

2ヶ月くらいずっと気になっていたパイル地のトップを、とうとう購入。

紙タグなので洗濯したら跡形もなく消えると思い、先に撮影した。

アメリカの1970年代のものだという。ボートネックのノースリーブという大好きな形、いかにも70年代後半のアメリカらしい色合いで、パイルの感触も柔らかくて最高だ。

Lは自分でも認めるパイル地オタクなので、良いのをたくさんそろえている。パイル地の服、子供の頃はよく着せられたような記憶があるけれど、大人になってからはほとんど着る機会がないな。めったに泳がない生活だからか。


Lの友人の男性のスタンドで、かわいらしい品を見つけた。

1920年頃の楕円型の小さな額。ガラスは微かに凸状で、額縁はエナメル加工されている。

額の中に収まった敷き紙も風変わりだ。