Beynesのブロカント | 2013/09

去年は行けなかったので、楽しみにしていたBeynesのブロカント。

特に早起きもせず、時刻表も適当に確認しただけで出かけたら、乗り継ぎ電車を1時間弱待つ羽目に… 時間つぶしに下車したヴェルサイユで、良さげな骨董屋を見つけたから、かえって楽しかったけど(時間が足りないくらい)。

Beynes名物の中世の城壁は未だ修復中で、ブロカントの会場は広大な運動公園に移動していた。早く修復工事を終えて下され。

不思議な物ばかり買った。

今までに買った中では最大の、アルミ製の平鍋。直径22cm。

POIVRE(胡椒)の文字と青い花模様の付いた、Sarregueminesの胡椒入れ。
5-6個セット売りされた陶製キャニスターの、最小サイズの容器だと思われる。
欠けもヒビも無し、蓋が完全な状態で残っているのは奇跡的。蓋のつまみのアール・デコ風デザインから、1920-30年代のものと推測。

右奥の白い陶製の物は、ランプを天井に固定する部品。部品が一部足りなくて放置中の家のランプに合うかもと思って買ったのだが、ハズレだった。これはこれで可愛いオブジェなので、1輪挿しか文鎮にでもする…

大きなツルツルの木の塊、素材が柘植(つげ)だと聞いて驚き!
「あの低木からこのボリュームを得るには、軽く200年はかかる」とは、売り主の道具マニア男性談(2年前にも彼のスタンドで買い物をした)。

その昔、水道配管工が鉛の配管を継ぐのに使った道具。
短い鉛板をこれに巻いて管の太さを決めて成形、その上から重ねるように次の鉛板を巻いてハンダづけ… という、気の遠くなるような作業を繰り返していたらしい。

焼けた黒い線は、繰り返されたハンダづけのあと。道具としては20世紀初頭の物だというけれど、樹木の年齢を考えると、17世紀後半から生きているオブジェだ。彫刻として美しいと思うので、毎日触って楽しんでいる。

奥のは薬品ボトル保護用の木製ケースで、薬局で使われていた物。
処方箋どおりに調合した薬を茶色いボトルに詰め、さらに木製ケースに入れて運んだそうな。これにぴったりな薬瓶が見つかればいいな、そのうち。

手前は、用途不明の小さな木づち。

高さ65cmもある巨大ピンセット、ではない。
馬具職人が作業中の革を押さえるために、脚ではさんで使った道具。

19世紀後半の物だろうとのこと。たくさん働いた、シワくちゃな顔をしている。これも彫刻として愛でている。

ちなみにこの道具コレクターの男性、1970年代に丸紅と仕事をしていた商社マンだそう。当時の日本滞在の思い出を、懐かしそうに語っていた。