オペラ広場の仕立て屋Pamelaの上着

去年のクリスマス直前、10区でヴィンテージ服のポップアップストアがあることを知り、いても立ってもいられず初日に見に行った。

かなり状態の良い品ばかりで、これはいい目の保養…と思っていたら、なんだかとても素敵なジャケットが1着ある!

なぜかこれにだけ値札がついていないので、店にいた年配の男性2人に値段を訊いたら、バイヤーが不在なのでわからない、と(イベント初日あるある)。

携帯電話のメッセージで問い合わせてくれている間に試着してみる。なんと、まるで私のために仕立てたかのように、ぴったりであった。目の保養をしている場合ではない。

値段が無事に判明し、1950年代のものだということもわかって、とりあえずその場を去る。興奮を冷まそう、衝動買いはよくない(何をいまさら)。

どうしよう、買うべきか、でも少しジャケット持ちすぎな気もするし…
ひと晩考え抜いても頭から離れないので、翌日、現金を用意して舞い戻る。
ジャケットに合いそうなシルエットのスカートを履いて、再試着の準備も万端。

前日とは打って変わって、女性が3人で店番をしていて華やかな雰囲気だ。
そのうち1人は、ブロカントでも時々見かけるヴィンテージ服のディーラーだった。

さっそく目当てのジャケットが掛かっていたあたりに行くと、まだ売れていなかった。試着したら「誂えたみたいにぴったり!」と言われ、決心にダメ押しの一撃。

濃いグレーのウール地で、襟にファーがついていて、短めの丈。

下の3つのくるみボタンが最高にかわいい。

Pamela Parisという、Halévy通りにあった仕立て屋のタグがある。裏地の状態からしても、ほぼ未着用なのではないか。

検索していたら、Pamela謹製のレースつきドレスの画像が1枚だけ見つかったのだけれど、これまた恐ろしく素敵だった(すでに売れていた)。センスの良いデザイナーだったのだな。店舗はオペラ座のすぐ横にあったようだから、観劇用の服なども作っていたのだろう。

買った2日後にさっそく、親友とレストランで食事をする機会に着て行った。