Thierry Muglerの赤いドレス

SNSで投稿されたブラウスの画像を見て連絡を取り、モンマルトルのヴィンテージ服ショールームを初訪問することになった。

目的のブラウスは実物の色が全然ちがっていたので買わなかったものの(画像では好みの感じだったんだが)、はるばるここまで来たのだし、他の服も見せてもらうことにした。

ハイブランド向けコンサルティング業オフィス兼ショールームなので、有名メゾンの高級服がぎっしりラックに掛かっている。Célineと同じくらい多かったのがThierry Muglerで、10着ほどあったかな。中でもひときわ目を引いたのが、目の覚めるような朱赤のロングドレスだった。

1980年代Thierry Muglerドレス

ミュグレーには珍しく、ウエストが細過ぎない形。
それにしても薄いシルクは針金ハンガーの形がもろに出るな、別のハンガーで撮ればよかった。

後ろの裾の方が長いデザインで、ウエストの長いベルトを締めると、ベルトの片端がちょうど前の裾と同じ長さまで落ちる。

1980年代Thierry Muglerドレス

胸元の小さな黒い点のようなシミを落とそうとして、浸け置き時間をちょっと長くし過ぎてしまい、コイン大の範囲でぼんやり白っぽく色が抜けてしまった。シルク用の染料を買ってきて、ティッシュと指で叩いて色を乗せたら、目立たなくなった(わかるけど、白っぽいよりはマシ)。

裾の近くに見つけた極小の穴をダーニングし、スカート脇のほつれを補強した。裏地の折り返しがところどころ変なのは、そのままにしてある。

ショールームではドレスの神々しさに圧倒されて細かくチェックできなかったのだが、明るいところでじっくり見ると、いろんなところに黒っぽい汚れもあり、気に入って何度も着られたんだなという感じがする(このブランドのディレクターが着ていたものらしいので、当然か)。

こんなに強く惹かれる赤い服は、初めてかもしれない。着ればたちまち前向きな気分になる鮮やかさ。真っ白なスニーカーを合わせて、普段着にする予定でいる。