パリ13区(Bd. Auguste-Blanqui)のブロカント | 2016/01

めずらしく家で過ごそうと決めていた日曜日、「すごく好きそうな古着を3着仕入れたよ」という魅力的な連絡をもらったので、あわてて準備して出かけた13区の高架下。

まずは、連絡をくれた主のスタンドへ。

フランス海軍水兵の作業着、1939年製。
灰色でフニャフニャだったのを、浸けおき漂白して洗ったら、パリッとよみがえった。

ドロドロになった迷い猫をお風呂に入れて洗ったような、すがすがしい気分。
サビとオイルのあとは少し残ったけれど、それもまたカッコいい。

これは夫が最近入手した1921年の写真で、前列の水兵たちの作業着が、まさに私がこの時に買ったのと同じもの。石炭と油汚れで真っ黒に見えるけれど、白いリネン製。

3着中、同じくフランス海軍の別型の1着にはピンと来ず。
残り1着は、なんと日本軍の昭和17年のジャケット、カーキ色で中綿が薄く入ったもの。今で言う女性の34くらいの超タイトなサイズで、栄養状態の悪かった時代の日本人男性が、いかに華奢だったかがうかがえる。
これも買わなかったけれど、貴重なものを見せてもらった。

以前から欲しいと思っていた、黒真珠の指輪。
好みのデザインで、サイズもちょうどいいので即決した。1950年代の品だそう。

上下が平たくなっている理由を訊いたら、「何個も重ね着けする時に便利だからじゃないの?」と売り主の男性。まあ、言われてみれば平たい方が便利かも…
こういう姿に成長した真珠なのか、それともわざわざ削ったのかは、謎である。

サマリテーヌのアントルメ皿を、久しぶりに見つけた!

刻印K&G Lunévilleのデザインから、19世紀末から1910年頃の品だと思われる。

絵つけは転写に手彩色。地色がオフホワイト寄り、ロゴもサンセリフ体で、以前に買った2枚と比べると、印象がずいぶんとちがう。

カジュアルで若々しくて、可憐な図案。
食器は買わないと決めている時に限って、こういう品が現れるので、困る。

あと、1950年代のアルミ製のアイスクリーム・ディッシャーも買った。
レバーを押すと、すくったアイスクリームがポロっと外れる単純な仕組み。
当時は画期的な道具として、人気を博したのだろうな。

ある年配の女性のスタンドで大量に売られていた、19世紀末の小さなスプーン。

これは半熟卵専用スプーン。銀メッキ、象牙、動物の角製。
ぼちぼち集まっている銀メッキ製の半熟卵スプーンは、改めて数えたら11本になっていた。

こちらはマスタード用。
角製のものが使い込まれて、いい飴色になっている。

これは左から6本がマスタード用。

右の黒い金属製のは、私が「斜陽のお母さま風スプーン」と呼んでいるタイプの、極小ままごと版。

一番下の木製の大きいの(と言っても、コーヒースプーンくらいの大きさ)は、特に決まった用途なし。

匙の先頭が四角く切れているタイプは、食卓塩用かと思ったのだが、コレクションしていた本人がマスタード用だと言うので、そうなんだろう。