パリ2区(Passage des Panoramas)のブロカント | 2016/01

本来なら年末開催(2015年は12月開催予定であった)の2区でのブロカントが、1月半ばに延期。

いつもここは混雑するので(もともと狭い上に、観光客が押しかける人気パッサージュ)、気合いを入れて臨む。

1920年頃のビストロで使われていたというグラス。

台の直径がバラバラで、手作り感に満ちている。
こういうの大好き。

一昨年の同じブロカントでティン缶を売ってもらった、穏やかで感じの良い老婦人のスタンドで購入。100年前のグラスが、こんなに良い状態で残っているとは。

「食洗機に入れちゃダメですよ、白く濁りますから」との忠告をもらったけれど、食洗機を持っていないので問題なし。

別のスタンドで見つけた、リキュール用と思われるミニグラス。
これも1920年頃の品だ。

左の2個を買ったら、右の1個をおまけにくれた。おまけのグラスは脚のデザインがちがうことに、撮影するまで気づかなかった…

日本酒を飲むのにも良さそうだし、シャーベットを少し盛るとか、正月のおせち料理ごっこでアボカドクリームを盛りつけたりして使おうか。

ボルドーのJULES VIEILLARD窯のデザート皿、LOUIS XV(ルイ15世)シリーズ。絵つけの雰囲気からして古そうだと思ったら、1880年当時の刻印である。

実は、裏面の様子が面白くて選んだ。
表にあるのと同じ模様が、うっすらついている。

本焼成中、窯の下段の皿の絵付け転写用紙が剥がれて飛んできて、この皿の裏に貼り付いてしまった、とか?

もしくは、絵つけの際に表裏を間違えて転写用紙を貼ってしまい、あわてて剥がしたけれどもあとが残った、とか?

どうも私は「制作中の事故」みたいなものに弱い(布地でも、模様がちょうど切り替わる部分などを欲しがる)。

Louis XVの前に書かれた文字「Sce」は、「Service」の略かな。

気さくで冗談好きな女性のスタンドで見つけた、Imagerie d’Epinalの印刷物。

職業をテーマにした教材カードの作りかけかな?
鍛冶屋、研ぎ師、仕立て職人、ぶどう栽培者、かつら職人など、12種類の仕事のイラストが、時に微妙に順序を変えながら、3度繰り返されている。
色校正用の試し刷りかもしれない。

これは「帽子屋」のイラスト。
ナポレオンの被っていた二角帽子が飾られているあたりに、図案が作られた時代背景を感じる。

エピナル図案印刷所は1796年創業で、その建物、印刷機、所蔵する1344の版木と19世紀のリトグラフ石版が、歴史的遺産として登録されている。

教材用ポスターなどの印刷でも有名だったのだが、時代の急速な変化に取り残され、1984年頃に倒産しかける。

1989年に新しい機械を導入し、2014年には地元の2企業が投資するようになって、なんとか復活。

古い木版の図案を復刻した商品を販売したり、人気アーティストとコラボレーションしたり、印刷工房の見学を受けつけたりして、活動を継続している。
いつか工房の見学に行ってみたいな!

押し花の散る手漉き紙に刷られた小さなポスター。
なんだ、今になって気づいたけれど、アメリカの詩人Samuel Ullmannの作品、マッカーサー元帥が座右の銘として有名な詩の「青春」だった。

気になるのは、作者Ullmannの名前の記載がなくて、「1945年マッカーサー元帥による」となっている点。当時はこの詩がマッカーサー元帥の言葉だということになっていたのかな?