超電子バイオマンの手編みニット

glam rock shopper®︎を一番に仕入れてくれたMの経営するヴィンテージ服店のインスタグラムで、とんでもないお宝を発見した。戦隊ヒーローの編み込まれた、1980年代のニットである。

関西でのポップアップストアに通っていただいている諸氏はお気づきかと思うが、私は1980年代あたりの素人の手編みニットに目がない。見つけたら反射的に買っている。

じつはこの超電子バイオマン、見たことのない戦隊シリーズなので個人的にはよく知らず、ネットで検索して学習した。

フランス人の口からはよく「ビオマんヌ(Biomanをフランス人が発音するとこのように聞こえることが多い)」と聞くね、そういえば。「ゴールドラック(グレンダイザーのフランス名)」と同じくらい浸透している印象。もちろん私の夫も知っていた。

Mに購入希望のDMを送ると、「ちょうど週末にパリに行くから持っていってあげるよ」との返事が。なんと!私はとうとう、卸で一番たくさんショッパーを買ってくれている人に会えるのか。

日曜の午後にカフェで待ち合わせると、Mはテラス席で遅いランチ中だった。

あいさつをして向かいの席に座ると、白い包みを渡された。8歳男児用のニットと言われていたので、やはり試着が必要である。

座ったままで自分のコートとニットを脱いでいたらカフェのサービス係が注文を取りに来て、「そんなに暑いかなあ」と冗談を言った(めっちゃ寒い日だった)。

着丈が短いことは覚悟していたが、頭が入るだろうか… あ、入らないかもと一瞬絶望したのち、なんとか入った。そして髪型はぐちゃぐちゃになった。

長袖が五分袖になるのは想定内で、むしろその方がうれしい(七分袖と五分袖を溺愛している)。

決めポーズのバイオマン2名は、レッドワンとイエローフォーだね。

イエローフォーを出すってことは、もしかしたらこのニットの持ち主は、女の子だった可能性もある。左だけに銀ボタンのついたボートネックで、袖のデザインもちょっとフェミニンだなとは思っていたし。見れば見るほど、戦隊モノ好きの女の子の服だったって線が濃厚に感じられてきた。

もしくは、「背面のバイオロボの上半身代表でレッドワン、下半身代表でイエローフォーを選んだ」とか、「デザイン上の純粋な色彩感覚によってこの2人が選ばれた」か… いや、やっぱりおそらく女の子の服だわ。夫も、男児用の服の形には見えないと言うし。

アルパカ混(だと思う)の高そうな毛糸が使われていて、保温性もバッチリ。おばあちゃんが孫のために編んだんだろうな。躍動感あるポーズは、何時間でも眺めていられる。

背面のバイオロボ!カッコいい!剣先の白い毛糸の端が首から出ちゃうけどカッコいい!

うれしいのでさっそく着た!