ユーゴスラビア社会主義連邦共和国の刺繍スモック

パリで出会ったアメリカ人女性が2人いる。

そのうちの1人であるヴィンテージ服ディーラーSが、夜の街ピガールのバーでのイベントに参加するという。

Sは物静かでとても話しやすいし(といいつつ、彼女がゆっくり英語で話してくれていても私はついフランス語で返事してしまうという、妙な感じになっている)、仕入れルートが他のフランス人ディーラーたちとはちがうのでセレクトが独特でもあり、会うのが楽しみである。しかもこの日は、彼女が買ってくれた新発売のショッパーを配達するというミッションがあった。

昼から10区で別のポップアップストアに行き(何も買わず)、それから髪を切ってもらいに4区まで行き、終わってからこのSのイベントを見に行くという、私にしてはめずらしく多忙なスケジュール。

メトロ2番線Blanche駅を出て、両脇に小さなバーやキャバレーが並ぶいかにもピガール!な小道を下っていくと、その店があった。

告知時間をまあまあ過ぎてから着いたのにまだ思い切り品出し中で、スチーマーをかけている途中。しかも照明がない店でほぼ真っ暗、この状態で洋服が売れるのか少し心配になったほど。

最初に見つけたラメ糸のニットは、いいんだけれどかなりチクチクするので買わず。今日は特に買いたいものはなさそう… と思ったら、なんだか良さげなブラウスを発見。

1960年代ユーゴスラヴィア刺繍スモック

わー!!こういう刺繍のスモック、欲しかったんだ!見つかってもだいたいはめちゃくちゃ高いので諦めていたのだけれど、なんとこれは買えるお値段であった。

1960年代のユーゴスラヴィア社会主義連邦共和国の品物で、タグにベオグラード(当時の首都)の文字。

あのあたりの国の位置関係って複雑でいまだに覚えられない(ポーランドから東側の南側がいつもぼんやりしてしまう。西ヨーロッパ部分は覚えているのに)のだが、この服を入手したら俄然興味が湧いてきた。