パリ10区(rue René-Boulanger)のブロカント | 2020/07 その1

10ヶ月ぶりのパリ10区のブロカント。

クリニャンクールの蚤の市に常設店も構えたし、もう市内のブロカントには来ないのかと思っていた友人Lが、出店するという。

もう1つ好きで通っている衣類スタンドも出店予告をしていたし(ここのスタッフの1人に、自作のバッグを納品する使命もあった)、ウキウキと出かけた。

まずはLのスタンドへ。あまりに通い詰めているので、新入荷品を見るとすぐにわかる(ので、「接客の手間が省ける」とL本人に言われたこともある)。

1950年代レインジャケット

1950年代のナイロン地ジャケット。

この、ジョルジュ・ブラックの絵かと思うような、キュビスムな模様!!最高!そして七分袖!

帰ってからよくよく見ると、アームホールがほつれまくっていた。
手縫いで不器用に直されていたポケットや、裾や見返し部分の粗いまつり縫いは、外して縫い直した(前の持ち主も修理を繰り返して大事にしていたのがわかる)。袖口のボタンも割れていたので、似た色形のものに替えた。

思っていたよりも大手術で、全部直すのに4日ほどかかった。こんなに手をかけてしまったらもう愛着がわきまくって、自分のものにするしかない。

1970年代コットン地ストライプシャツ

Lのスタンドで買ったもう1着は、1970年代の薄いコットン地のシャツ。

襟が小さくて細身で、透け感があるところが良い。

これは洗濯したらすごい色落ちした(洗濯後に撮影しているにもかかわらずこの鮮やかさ)。赤い服ばかりを同時に洗ったのでどの服から色が出たのかわかりにくかったけれど、色移り防止シートが暗赤色に染まったので、このシャツだろう。昔のインド綿って色止め処理されていないものも多いし。


さて、前週末に自作バッグの初注文をくれた、Cのいるスタンドへ。

メタリックピンク色のスパンデックス地で作ったスーパーのレジ袋みたいなバッグ。裏地も内ポケットもついたデザインなので、平日にかかりきりで作業してなんとか間に合わせた。

Cはもうできたのかとびっくりしていて、喜んでいた。いやあ、早く作らないと夏休みでみんないなくなるからさ…
納品ついでに、興味を示していたグリーンの布見本を見せて反応を聞くのも目的。

しかし彼が興味を示したのは、私が持っていた同じ布製のシルバーの小サイズ。「わーん!シルバーいい!小さいのもいいなあ!!」と、私のバッグをつかんで、鏡の前で持ってあらゆる角度で見ている。

まさかと思ったが、シルバーの小をオーダーされた。2個も買ってくれる初のお客さんが男性だとは思っていなかったよ。このあとまた平日がんばって作業して、5日後の夕方には納品した。


軍ものディーラーGのスタンドへ。

同じように見えてけっこう入れ替わっているので、古いTシャツとシャツのラックは必ずチェックする。

1970年代Puritanポロシャツ

グリーンのポロシャツが素敵だったので購入。

アメリカのメーカーPuritanのスポーツウェアで、おそらく1970年代のもの(似たデザインの色ちがいのポロシャツが写っている1978年の雑誌広告を見つけた)。色がきれいで、肌触り抜群なコットンとポリエステルの混紡。

夫はTimberlandの生成色のフランネル地シャツを見つけていた。


Gのスタンドをあとに、来た道を折り返していると、ままごと用のボウルが売られていた。

Digoinままごとボウル

Digoin窯のステンシル絵つけで、刻印は1920年代から50年代ごろのもの。


ふたたびLのスタンドへ。長椅子があるので、つい寄りたくなる。

さっき見て一度はやめておいたものの、やっぱり気になるワンピースを試着してみた。

1980年代St Michaelワンピース

1980年代初頭の、St Michaelのワンピース。どことなくティエリー・ミュグレーの鋲づかいを思わせる、いかにも1980年代なデザインだ。スカート丈も好みの長さ。

そして、なんと貴重な西ドイツ製。
St Michaelというブランドはイギリス拠点だと思うのだが(圧倒的にUK製造の服が多く見つかる)、国外製造もしていたということか。

これも秋に着るのが楽しみでしょうがない。