外出禁止令期間が明けてすぐの5月半ば頃に買った、1980年代のティエリー・ミュグレーのワンピース。
売り主はドイツ人。ドイツ語の商品説明の解読に手まどうかと思ったら、Googleのドイツ語→フランス語翻訳が思った以上に正確だったようで、完全に理解できた。
届いて改めて実物を見ると、内側の裾近くに縫い付けられている洗濯注意表示タグが、真っ黒で読めない。
目を凝らすと、本来は黒地に白糸で刺繍されていたはずの文字部分の輪郭が、うっすらとわかる。ということは、家庭で後染めされたんだ。濃いシミでもつけてしまったんだろうか。
縫い糸もコットンだったので生地と同じ色に染まっていて、後染めの事実に気づくのが遅れた(ポリエステル糸だと家庭用染色剤では染まらないのですぐにわかる)。
スカート前中央のボックスプリーツの裂けが隠されて、乱雑に縫い合わされていた。ていねいにほどいて、自己流ダーニングで生地の穴を埋めてから縫い直した。
フロントのファスナー(イタリアのriri)が薄い水色なので、元は薄い水色だったんだろうな。1980年代の宇宙船が舞台のSFドラマで、看護婦が着ていそうな感じがする。
一見ツナギの作業服っぽいのに、動きやすさは完全に無視されたデザイン。いったん着てしまうと、ちょっとしゃがむのにも非常に気をつかう。歩幅はいつもの半分くらいになる。あらゆる動きがアンドロイドみたいにギクシャクする。
でも好きだなあ、こういう「自分の作りたい形を突き詰めました!」という感じのする服も。