パリ14区(Av. du Général Leclerc)のブロカント | 2020/02

9ヶ月ぶりの14区のブロカント。

大通りの両側にスタンドが並ぶ、思ったよりも大きめのブロカントだった。

たまに見かける男性のスタンドで、ふぞろいな印刷物が箱入りで大量に売られている。
紙製の販促看板のようだ、腰を据えて端から順番に見た。

1950年代から1960年代の販促用の紙看板

明らかに1950年代から1960年代のものだ。
後から来た男性が店主と話しているのを聞いていると、販促看板コレクターの放出品らしい。値段もこの時ついでに知った。

保護袋で包まれていて比較的状態が良く、フォントが魅力的な4枚を厳選して購入。

1950年代から1960年代の販促用の紙看板

大文字Rの右側の足がまっすぐな書体が好きなので、どうしても贔屓してしまう。そして、この「tico」の愛嬌と軽快さには、ひと目で心を射抜かれた。

1950年代から1960年代の販促用の紙看板

この黄色くて大きな看板は、交通標識みたいなデザインでおもしろい。


紙ものディーラーDのところでは、挿絵ページを3点買う。

Cours élémentaire d’Histoire naturelle. Le Buffon de la Jeunesse.

1859年発行の「Cours élémentaire d’Histoire naturelle. Le Buffon de la Jeunesse. (自然史初級)」という書の中の、猫の絵のページ。

Cours élémentaire d’Histoire naturelle. Le Buffon de la Jeunesse.

この書名中にある「Le Buffon」とはなんだろうと思ってしつこく調べていたら、Georges-Louis Leclercという自然科学・人文学者(1707-1788年) がBuffonの伯爵だったそうだ。
Buffon伯爵が18世紀に書き上げた超大作(生前に36巻、彼の死後に追加で8巻発行)が「自然史初級」で、通称Le Buffonとなり、何度も版を重ねられた。

しかもこの日は2月22日で、猫の日だったのだ。買うに決まってるじゃろ。

あと2枚は「Costumes de Paris à travers les siècles(パリの衣装史)」からの抜粋ページ。19世紀後半に発行された本で、パリ市の美術館にも数葉が所蔵されているらしい。

Costumes de Paris à travers les siècle
17世紀ルイ十三世統治下での理容サロン
Costumes de Paris à travers les siècles
15世紀のパリの印刷所

印刷所の絵は特にうれしい。グーテンベルクの活版印刷技術発明によって、ヨーロッパで書物が民主化され始めた頃の様子だ。右の方で陰になっている人物が手にしているのは、活字の組版ではなかろうか。