パリ3区(rue de Bretagne)のブロカント | 2022/05 その1

さて、待ってましたのパリ3区の巨大ブロカント、春の巻!
ふだんは午後にしか出かけない私も、このブロカントのためには早起きするのだ。

いつものように、レピュブリック駅の側から探検開始。軍ものディーラーTにあいさつし、3区の区役所前にスタンドを構えるヴィンテージ服ディーラーSとAに声をかけてから、小さな道へ入る。

南仏からはるばるやってくるディーラーRのスタンドで、黄色いシャツとピンクのスカートを見つけた。

どちらも1980年代のもの。

1980s 半袖シャツ
1980s スカート

彩度を振り切ったこのピンクが大好きだ。見つけたら買わずにはいられないビョーキ。


さらに進んで、細い道沿いの暗くて小さいスタンドに、状態の良いブランド物の服が行儀よく並んでいるのを発見。じっくり選んで2点に絞った。

1980s Pierre Cardinウール地ペンシルスカート

いかにも上質な生地だなと思ったら、1980年代のPierre Cardinである。色も最高、こういう尖ったブルーのボトムが欲しいとひそかに思っていた。

1970s レザースカート

またグリーンの服を買っている!でもレザーのグリーンにはそうそう出会えないので、これは買わないと後悔するやつだよ。1970年代後期のもの。

スタンドの主は60代くらいの女性で、自分が1980年代に着ていた服を売っているのだと言う。ちょうど私と背格好が同じくらいの人で、どの服も私にぴったりのサイズだった。


さらに進み、こんどは大きな通りに出る。なんだか素敵なしつらえのスタンドがあるなと思ったら、知っている人だった。過去に趣味の良い印刷物やティン缶を売ってくれた、L氏だ。

声をかけると覚えてくれていて、「いやーひさしぶり、2年半ぶりかな?」とお互いに再会を喜んだ。彼は遠い地方からはるばるやってくるので、この3区のブロカントには春の部のみの参加。

「あ、きっと気に入ると思うのがあるんだ… ちょっと待って」となにやらゴソゴソ探し出し、見せてくれたのがこのカタログ。

19世紀 タイルのカタログ
Fabrique de carreaux et dalles, A.Welvaert & Decoene Frères

19世紀後半あたりの、床用タイルのデザインカタログである。こんなの好きに決まってるわ!ベルギーとフランス北部の工場で作られたタイルで、パリの建築にもよく使われたタイプ。

7年前にもL氏からタイルのカタログを買っている。家を建てる予定はないのに、タイルのカタログはいっぱい持っている私。


道を渡ったところに、ヴィンテージ服ディーラーJのスタンドを見つけた。

特に好きな服はなかったのだけれど、何やら絵ハガキのようなものが飾られているのが気になる。
「ああそれ、ロックダウンの時に作ったコラージュ作品を印刷したカードだよ」と。こんな才能もあったのか、Jには。

特に気に入ったのを1枚選んで、売ってもらった。

collage par Juliette

こわくてかわいくて、とてもいい。


毎回ステキなシャツやワークウェアを買っているスタンド。今回は洋服は見つからず、代わりにかなり面白いオブジェを掘り出した。

婦人用お手洗いサイン

これはなんでしょう?私はひと目でピンときたのだけれど、売り主の男性は何かさっぱりわからないまま売っていたらしい… 婦人用トイレのドアにつけるサインなのだ。同時に同じ品を物色しはじめた女性も、私と同じ意見だった。

アクリル板のを3枚、金属板のを2枚選んだ。

右手を上げているのは、タバコを持っているデザインだからだと思われる。金属板の方で、指先に持ったタバコが折れずに残っている個体があったし。お手洗いでタバコを吸うのが可能な時代だから、1980年代あたりかな。

ペンダントにすると面白いと思うのだ、これ。