パリ13区(Av. d’Italie)のブロカント | 2022/05

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3ヶ月前に来た時には、1950年代の雑誌ELLE(岸恵子さんの特集ページがあった)を買っている。

友人Lは、駅近くの理想的な場所にスタンドを構えていた。

数ヶ月前から気になりつつ、サイズが大きいので買うには至らなかったシルクのスカート。なぜかこの日はサイズ直しをやり切れる気がしてきて、ヒョイと購入。なんかこういうのって不思議、出会いのタイミングというか、ステップを踏む時期があるよね、なにごとにも。

1930s ハンドメイドのシルクスカート

実はこっちの模様の面は内側で、

くるみボタンとポケットのある黒い方が外側。そう、裏地が超ステキなスカートなのだ。1930年代の手作りらしい。

分解してサイズ直しをするからには、完全なリバーシブル仕様を目指したい。

物心ついたころから私はこうなのだ、「どうせやるなら」と、アイデアが複雑で難しい方へと寄っていく。たとえそれが初めての挑戦でも、だ。

小学校の家庭科の授業で、エプロンのポケットに刺繍をすることになった時なんて、「風の谷のナウシカ」のテトをモチーフに選んだ(先生もちょっとびっくり)。他のみんなは単純なステッチで花や車のシルエットを縫う中、ひとりだけ大量に糸を往復させて、ふっくら盛り上がったタペストリーのような大作ポケットを仕上げた。

大学生で初めて編み物をした時にも、いきなり難易度の高いケーブル編みニットを作ったし(この時に編み物むいてないなと実感して燃え尽きた)。もう、こういう性質なんだとあきらめて楽しんでいる。

試着してつまんでみて、何センチ詰めるかを決めたら、全体とディテールを撮影し、縫い代幅などの計測値をいちいちメモ。あとは根気よくニッパーで糸を切って抜いていく。

大丈夫、よく観察して分解していけば、構造はわかるはず。人類で最初にサイズ直しをしようと思った人は、きっとこうやって分解して独学したはずなのだ。

芯地にもシルクが使われていたり、微妙に分量が足りないのをうまくパッチワークで補ってあったり、いろいろ発見があって楽しい。

すべてのパーツにアイロンをかけ、詰める分を均等に割り付けてカット(本当は均等に割り付けるんじゃないのかも。後ろ身頃をやや多め、とかなのかもしれない。洋裁をちゃんと習ったことがないのでわからない)。

2日くらいかけて、完成!

ちょっとローピング・エフェクトかかっちゃってるけど(デニムの裾じゃあるまいし)、これ以上ゆっくり丁寧に縫えないっていうレベルで超集中して作業したので、これが私のベスト。どうせ私が着るからいいんです。

1930s ハンドメイドのシルクスカートのサイズ直し後

完全なリバーシブル仕様になったよ!

詰めるときに、各布の両脇を上から下まで同じ幅でカットした。そうするとウエストはいいんだけど、下の方の布の重なりがえらく少なくなって、スリットがキワどい感じに。なので、下は全長の3分の1だけが開くように、真ん中あたりを縫い留めた(普段から走って鍛えている細いスジ脚の持ち主ならば、キワどいスリットも健康的だったと思う)。こんどスリット入りのスカートの脇詰めをするときには、気をつけよう…

たぶん私はほぼ常にカラフルな方を表にして着るんだけど、旅先に持って行ったら、急に黒いスカートを履きたい気分になったとき(そんなことあるだろうか)にも、ひっくり返せばいいだけである。