IDカードとか保険証とかぜーんぶまとめてスリにあった件の顛末(その3)

さて、まとめに入ろうか(なんのまとめだ)。

私はパリに来てからだいたい5-10年に1度くらいの割合でスリかひったくりに遭っている。それも決まって、誰か他の人と一緒にいるときに、だ。

こちらに来てまだ1年も経たない頃に路上で乱暴なひったくりに遭って(少しケガしたよ)、それ以来ひったくりにはめっちゃ気をつけているので2度とやられたことはないのだけれど(いまんとこね)、スリは不運にも何度か遭遇している。

1回はパスポート、これは大学の講義中に盗られた。当時はまだ日本のパスポートの価値が高くて(ICパスポートではなかった時代)、偽造の材料にするのに盗まれたんだと思う。すぐに日本大使館に行き、1週間くらいで再発行してもらえた。ちなみになぜパスポートを持ち歩いていたかというと、毎年更新の学生身分滞在許可証が仮許可証の時期だったか、それとも予約日待ちだったかで、推奨されるとおりに素直にパスポートも携帯していたのだ。そんなの無視こいてコピーを持っときゃよかったのに。

ポケットに入れていたiPhone3Gを電車移動中に盗られたこともある。これは気配を消すタイプのプロの仕業だった。っていうか、他人が近づいてきた記憶が全くない。その日が初対面のクライアントと移動中だったのもあり、かなりテンパってて自分の身体周辺に気が回らなかったってのもある。

1人で行動する時にはめちゃくちゃ周囲に気をつけているし(病的なくらい頻繁に後ろを振り返る、エスカレーターでは後ろの人との距離を2倍多めに空けるかさっさと上っちゃう、メトロのドア開閉時には携帯電話をいじらない、歩道は壁際を早足で不規則に歩く… これじゃ傍目には私の方がよっぽど様子が怪しいのでは…)、そもそも表情がナチュラルに無愛想ぎみである。

が、友人やクライアントと移動しているときは、会話をするから注意力がいつもの半分くらいになっているんだと思う。自分では特に変わらないつもりだったのだが。今回なんて夫とずっとぴったり一緒にいたのに、彼もスリの存在に気づかなかったからね。すごいプロに当たっちゃったね。

安っぽいポーチとは言えバッグインバッグに色々まとめるのは超危険だと学習したので、今ではめっちゃ分散させている。あと、バッグインバッグ自体をバッグ本体に縛り付けるようにもした。これなら引っ張られる時に気づくし、引っ張っても取れない。

いかにもお買い物好きそうな外国人観光客っぽい服装をしていたわけではなく、なんとダークグリーンの軍物ツナギにパイロットのムートンジャケットというイカついいでたちだった、しかも黒マスク。何を着ていようが、スラれるときはスラれるのだ。

スリは「あわよくば価値のあるものが狩れるかも」というスタンスらしい。たぐって取れるものは取る、それから中を見る、という。金持ちそうな外見だからとか、そういう理由では狙わないものなんだそうだ、プロは(逆に素人のひったくりはわかりやすい金持ち風の人を狙う傾向がある、暴力でむしり取るから)。地味な古着姿の持ち物のわりには現金多めの財布だったから、さぞラッキーと思ったことだろう。

ひさしぶりの晴天で、なんとなくウキウキして自然に笑顔になる感じの日だったので、だいぶ離れたところから本日のカモ標的ロックオンされたんだと分析している。

何はともあれ、コロナのおかげで行政手続き諸々がオンラインだけで済むようになっているのは良かった(滞在許可証の受け取りだけは本人出頭が必須だけれど)。フランス、やればできるんじゃん、という感想。さらに、古い免許証は大きなピンク色の紙製だったのが、再発行されたらIC付きの小さなプラ製カードに変わっていた。もうめったに持ち歩かないだろうけど、サイズが小さくなったのはうれしい。

すったもんだの証明写真Ephotoについては、スマホで公式Ephotoが撮れるアプリの存在を最近知って、くやしくて地団駄を踏んでいる。

https://apps.apple.com/fr/app/photo-identit%C3%A9-officielle/id1527550865

最初から知りたかったよ、これ。