5区のムフタール地区エリアでのブロカント。どうやら1年ちかくも来ていなかったらしい。
天気予報では、確実ににわか雨が来ることになっていた。晴れてはいるもののかなり湿度の高い、土曜日の午後。
ゴブラン大通りの東側から見始めたら、すぐに紙ものディーラーDに会う。そうだ、彼女はいつもこのあたりにいるんだった。
スタンド外から手をふって挨拶すると、唐突にDが叫ぶ(Dのキャラはこんな感じで、たまに漫画の登場人物っぽいなと思うことがある)。
「ビズはなしだよ!明日PCR検査を受けるの!明後日からヴェトナムだもん〜!」とうれしそう。2年以上ぶりの旅行だもんね。しかしそうしてビズは避けるわりには、本人がマスクしてないってどうなの(※着用義務は無いよ、念のため)… 私なら万全を期して出発の1ヶ月前くらいから常時マスク生活するけどな。
何年ここに住もうと、そのへんだけは日本人らしいのか、私は。規律(というか、「世間様」の目)の厳しい国で生まれ育ったからこうなったんだろうか、それとも生まれつきこういう性格なんだろうか。ああ、でも幼少時から大人の顔色とかその場の空気を読む子供だった自覚がある、生まれつきなのかも。まあいいや、今さら変えられないし、変えるのも面倒くさい。
Dのスタンドは大盛況で、ひっきりなしに入ってくるお客さんの邪魔にならないように、何も買わずにさっさと退散した。
Censier-Daubenton駅すぐ横には、軍ものディーラーTがいた。ここでも挨拶してちょっと喋っただけ。
最後に、ヴィンテージ服ディーラーLに会う。
途中でザーッと降ってきて、その辺の人々がみんな雨やどりしようと、Lのスタンドに入ってきた。にわかに人口密度がアップ。邪魔にならないように端っこにいたのだが、什器にくくり付けられたスカーフのような布切れが、遠目に気になり始めた。よし、雨が去ったらあれを近くでちゃんと見よう…
15分ほどで晴れ間が見え、雨やどりの人々がさりげなく出ていった。
気になるスカーフをさっそく外してみると、あ、これって2年前だかに仕入れていた、写真家チェイコ・レイドマンの撮影用小物だったよねと思い出した。初対面ではない。
一部が裂けてまあまあ大きな穴が空いた状態なのだけれど、これ、結んじゃうと全然わかんないんだよね。っていうか、あらためて穴の存在に気づいたのは帰宅後、だったくらいだし。
オーガンジーに七色ラメ糸とか、もうファンタジーしかない。悪趣味側に寄った、でもとてもエレガントなデザインで、こういうミックス感覚というか、挑発的なクリエーションが私は大好きだ。しかも超軽量なので、少しの風でも面白い動きをする(さすがは撮影用小物、スタイリストは直感で選んでいるんだろうけど、無意識にいろいろ計算されている)。
ちょうどこれを買ったあとで偶然、よく似た感じの布を見つけて、新しいショッパーを作った。
スカーフとショッパーを合わせて身につけると最強、と自画自賛している。