JOYEUX NOEL | 2020

クリスマスの食事記録。
去年は長期のストライキで大変な思いをして買い出しに行ったのだったが、今年は別の意味でこれまた大変だった。

12月24日だけは夜間外出禁止令が適用されないので、大人6人までの集まりは許可されていた。我が家は独身の友人2名を招いて、4人での夕食。義母は脚が悪くもう階段を登れないということで、翌日に彼女の家を訪問することになった。

さて、予約購入していたケーキを指定の受け取り時刻13時から15時の間を目指して受け取りに行くと、お店の前に行列が。

まず先頭近くに並んでいる女性に「これって購入済み品の受け取りの列ですか?」と訊くと、「そうですよ、ズーーーーーーーーっと長ーーーーーーい行列よ!」との返事。まあ長いって言ってもリヴォリ通りに届くあたりだろうと思い、列を辿ってリヴォリ通りの角まで来て仰天、チュイルリー駅の方角にずっと続いている!なにこれ!

木枯らし吹き荒ぶ外気温2度の中を、これ行列するのか… マジで…

マップで見たら、200mくらいだった。あまりに寒いので各人の距離は0,5mくらい。もう見知らぬ人々とくっつきたい気持ちでいっぱいだった。風を少しでも避けるために、柱の陰に張り付くようにして移動。

注文数もわかっているだろうに、なんでトラックなりテントなりを用意して受け渡しを捌かないんだろうか、と並んでいる人みんなが口々に話す(シリル・リニャックとかフィリップ・コンティチーニとかはそういう仕組みだったし)。支払い済みでキャンセルもできないし、もう黙って並ぶしかない、シベリアってこれくらい寒いのかな、とか思いながら。

行列の長さにはムーリスホテルの従業員も驚いていて、慌ててショコラショーを配り始めた。そうだよね、最高級パラスホテル付属の高級パティスリーが寒空の下お客さんを並ばせているなんて、めちゃくちゃイメージ悪いもんね。しかしショコラは温かったのでちっとも暖まらなかった。気持ちだけありがたく受け取っておく。

凍えながら行列すること110分、やっと受付の机が見える位置まできた。どうやら受付の人は1人しかいないようだ、そりゃ遅いわけだ。長テーブルに5人くらい用意すればいいのに。

とうとう自分の番が来て、予約確認メールに添付されていたQRコードを見せると、それは無視して予約名を聞かれた。よく見ると受付係の人のPCにはスキャンの機械も付いていないし、じゃあなんでQRコード送ってきたんですかと疑問… やり方が古い、どうりで処理が遅いわけだ。

このケーキ受け取り騒動で、私のこの日のライフはゼロになってしまった。なのでろくに写真を撮っていない。

うちでの定番のサモサ。帆立貝柱、フォアグラ、コリアンダー入りで、マンゴーチャツネをつけて食べる。もう15年くらい作っているので何も見ないで作れる。

他にはイベリコ生ハムベジョータ24ヶ月熟成、フォアグラ&トースト&ソーテルヌのジュレ、黒トリュフ入りのミニサイズのシェーヴルチーズなどを用意した。さらに、招待客が持ってきてくれたイタリアのハム、大きな茹でエビもあって、前菜だけでけっこう満腹。

メインはいつもと同じ牛肉フィレに、じゃがいものピュレ、ミニ人参とミニズッキーニのグラッセ、ロマネスコのマスタード絡め焼きなど(もう疲れて写真を撮っていない)。

トリュフ入りブリーチーズ、36ヶ月熟成コンテチーズ、熟成カンタルチーズときて、とうとうデザート。

ココナツづくしのビュッシュ・ドゥ・ノエル、4人用。
受け取りの時にも思ったのだが、あれ、なんか平たくない??
これを書きながら改めて、プレス用の画像を見直したら、やっぱりだいぶ平たい!なんか水切り後のお豆腐っぽい!

↑プレス用の画像

お味はたいへん上品で美味しかった。でもあんなに並ぶのはもういやだなあ。あとやっぱりもう少し高さが欲しい、平たい…