ヴィンテージ服ディーラーLの店に予告なしで行っておしゃべりでもしようと思ったら、まだヴァンヴの蚤の市から戻っていなかった。
Lと共同で店を構えるEはいたので、博識で好奇心旺盛な彼としばらく話した。
Eは若い頃に15年ほどユーラシア大陸を放浪していたと、半年前くらいに聞いた。両親とも医者で、近所から化石が掘れることで有名なパリ郊外で育ったとか言っていたな(なので、化石も売っている)。写真とオブジェのセンスも良いし、これまでに何度か買い物をしたことがある。
さて、大量にあったEの写真の中に、どうしようもなく惹かれる1枚があった。
パリ左岸はサン=ジェルマン・デ・プレあたりの有名な高級ジャズクラブの写真だとEは言っていたが、なぜか裏面にはPalais Royalと手書きされている。
壁面の落書きが錚々たるメンツで、デュビュッフェやピカソやコクトーの絵ではないか。
少し前に見て気になっていた茹で卵タイマーも購入。
使ってみたら、いい感じの半熟卵ができた。
Lはまだ戻って来れそうになかったので、メトロが混む前に帰ろうと店を出た。3軒ほど隣の店先に、猫の置き物がたくさん並んでいるのに気づいて、ゆっくり見ることにする。
素焼きの陶器かと思ったら木彫りだった猫。
寝そべってじゃれている磁器製の猫を「彼らは一緒だから」と、おまけにつけてくれた。2匹でコンビらしい。