パリ5区(Av. des Gobelins)のブロカント | 2014/06 前編

6月最初の土曜日に行った、パリ5区と13区にまたがる大通り沿いのブロカント。
猛烈に暑い日に大規模なブロカント、一巡する頃にはヘトヘトだった。

圧倒的に紙ものが多かった、この日の収穫。

19世紀のGien製のままごと皿。東洋の青絵を模したような意匠だ。
帰宅後に調べたら、1871年から1875年製の刻印だった。予想したよりも古くて、少しうれしい。

広告入りビュヴァー(インク吸い取り紙)を数枚。

左上のがキャンディー、右上はパン・デピス(蜂蜜とスパイス入りの保存用ケーキ)、左下はコーヒー、右下はマスタード。

特にマスタードの男性の顔がいい、どれくらい新鮮で辛い商品かが、ダイレクトに伝わる画力。コーヒーのイラスト(ボーイスカウトのキャンプ)の、力が抜けた雰囲気も好きだ。

珍しい縦長のビュヴァーは、左がCrédit Lyonnais銀行。「農作業が人力だった1863年(銀行創立年)から、トラクター使いが主流になる1955年現在まで、つねに農業従事者に寄り添う当行」という感じか。

右はパスタ、胸を張るマカロニさん2人が、プリプリと美味しそう。

「パスタ」と大きく書かれているけれど、子供用チョコレート粉末飲料のティン缶。

中身が空になったらパスタ用のキャニスターとして使えるという、コレクター心をくすぐるデザイン。

Cadet Rousselle(カデ・ルッセル)という童謡の楽譜が、缶の下部にぐるりと印刷されている。

Elescaという会社の1931年の製品。パスタの缶にしては小さいと思われるかもしれないが、当時のフランスの庶民家庭で使うパスタと言えば、スープの実にする極小のcoquillettesなので、このサイズの缶で十分なのだ。


炭酸水ペリエの雑誌広告、パリ・マッチ誌に掲載分の切り抜き。

こちらはストッキングのメーカーScandale社の雑誌広告、同じくパリ・マッチ誌に掲載分の切り抜き。以前から気になっていて欲しかった絵である。
黒い線だけで艶やかな脚線美を表現する画力、何時間でも飽きずに魅入ってしまう。白い脚を引き立てつつ、見る者の視線を一瞬で捉える黒い犬の愛嬌ある姿も、さすがだ。

世界最古のデパートLe Bon Marchéの、企業歴史を書いた小ポスター。
1931年の改装工事の記念か何かの折に作られたよう。

チョコレートのMenier社の雑誌広告、1933年にL’Illustration誌に掲載されたもの。リトグラフ刷りで、「広告兼付録ポスター」という位置づけらしい。

アール・デコ真っ盛りな髪型、服装、色づかい、どれをとっても私の好みの絵。
(後半に続く)