パリ13区(Bd. Auguste-Blanqui)のブロカント | 2017/01

氷点下の気温が続く週末に訪れた、13区の高架下のブロカント。

ごちゃごちゃとガラクタが無造作に積まれたスタンドで、飾り皿を2枚見つけた。

壁掛け用ワイヤー器具のせいで縁が少し削れているものの、他には特に難もない状態。皿の裏側を見て、19世紀の品だと見当をつける。

なんとなくフランスの物だろうと思っていたのだけれど、帰宅して改めてじっと見たら、ウェッジウッドの刻印があるではないか。イギリス製だ。

1枚目はマンダリンという名のシリーズで、1885年あたりに作られたようだ(ウェッジウッド刻印解説の英語サイトを参照)。

去年の夏に同じブロカントを訪れた際にもウィロー・パターンの器を買っているし、その2年前にも東洋趣味の青絵の脚つきケーキ皿を買っている。なぜか東洋的な意匠の品物と縁がある、不思議なブロカント。
13区の中華街と近いから、業者も東洋的なものを選んで出しているのだろう。

業者は場所はもちろん、時期に適した出品物を細かく考えているようで、昨年末からこの1月にかけては、鳥に関する品物がたくさん出ていた。
酉年にちなんでアジア人にアピールしたかったんだろうな。

2枚目は刻印がつぶれていて解読できず、どこの窯のものか全く手がかりがない。同じスタンドで発掘したし、きっと同じ持ち主のコレクションだったのだろう。

数字とアルファベットの印字を元に検索を繰り返していたら、似た意匠の器がいくつか見つかり始める。そこからさらに絞って調べて突き止めた、なんと、これもウェッジウッドだった!

よーく目を凝らすと、ごく薄いWEDGWOODのロゴの一部が、読めないこともない。「Rdn1474」は「Registered pattern no.1474」の略であることもわかった。

Queen Charlotteという名のデザイン。
同じデザインで青絵バージョンも存在し、そちらは1886年製だそう。

金彩入りの豪華フルカラーで発表したデザインを、少し遅れて1色使い廉価版で世に出す流れはありうるので、1880年ごろの品物ではないかと考えている。

この図案名の「シャルロット女王」はヴィクトリア王妃の祖母に当たり、1761年に故郷の神聖ローマ帝国からイギリスに嫁いだ(配偶者はジョージ三世)。
バッハやモーツアルトら芸術家を庇護し、植物を愛し、キュー・ガーデンの設立に関わったという。

成婚後100年記念に作られたプレートの可能性もあるので、そうすると1861年製という見方もできる。