19世紀後半フランス消防士の藍染めスモック

雨がザーザー降っていた、2月半ばの土曜日。

1区のLa Galcanteで海軍や潜水艦の資料を探してから、Nation駅まで移動。
行きつけのカフェでカフェ・リエジョワを食べたりしているうちに雨足が弱まったので、カフェのすぐ近所で開催中のブロカントを冷やかしに行った。

元潜水艦乗りのG氏のスタンドを見つけたので挨拶したら、「年末に見せた消防士のスモックを売ることにしたけど、買いたい?」と。

全く予想していなかった展開で、すぐには状況が理解出来ずにポカンとしていたのだが、ことの重大さに気づいて全身の毛が逆立った!

あの消防士スモックが!10年20年は軽く待つ覚悟でいた、あのスモックが手に入る日がこんなに早くやって来るとは!

翌日持って来てくれると言ったので、ルンルンしながら日曜日に再訪。

1870年頃の、第二帝政時代の終わりの消防士は、こういう藍染めのスモックを着ていたのだ(火消しにはヒラヒラして邪魔そうなので、おそらく消火現場以外用?オーヴェルニュ地方の羊飼いが着ていた藍染めスモックも、普段着の上からかぶって教会に行ったり、村祭りの時に着たものなので)。

145年前生まれ、私の持っている中で、最も古い衣類。
スモックを着せたこのマネキンが使われていたのも第二帝政期あたりなので、同期の仲間が再会したような絵になった。

洗濯を失敗したら悲しすぎるので、洗濯前に撮影。

最初、デリケート素材用洗剤で浸け置きしたところ、水がみるみる焦げ茶色になり、何度すすいでも一向に止まらない。
これは手洗いではらちが明かぬ、と意を決して洗濯機へ(洗剤も普通のを使用)。

洗濯機の蓋を開けるまでドキドキしたけれど無事に成功、1枚目の画像に写っているシミのような跡は、すっかりキレイに落ちた。赤いフェルト部分も刺繍も、無傷で安堵した(昔の天然素材の方が、現代の物よりも丈夫だったりする)。

これは私の宝物である。もう少し暖かくなったら着る!