パリ13区(Av. d’Italie)のブロカント | 2022/07

パリ左岸の中華街、イタリー広場から延びる大通り沿いでのブロカント。前に来たのは2ヶ月前だった。

現地に着いてすぐに友人Lのスタンドへ。

すぐ隣がディーラーJのスタンドだったので、夫がLんちのベンチに腰を下ろして喋っている間に、私はLとJの2つのスタンドを行き来して品物をひととおりチェック。

何も買わずに、いったん先へ進む。
あるスタンドの、雑貨が並んだテーブルの上に、白いスプーンとフォークのセットを見つけた。


ブロカントの南端まで見たのでJのスタンドに戻り、気になっていたジャケットを試着。

1960s イタリア 半袖ジャケット

ポケットがやや無理やり下端ギリギリに付いているのがおもしろい。

1950年代後半から1960年代前半あたりの、地中海沿岸のリゾート着って感じのジャケット。プッチにもこういうショールカラーのシャツジャケットがあったような。

やっぱりイタリア製だ。見たところ生地は混紡(ヴィスコースとコットンっぽい?)で、とても軽くて乾きも早い。

「これを仕入れたときに、いかにも好きそうって思った」とJに言われる。最近では方々のディーラーが私の好みを把握してくれるようになった。


さて、最後にもう一度Lのところへ。
半月ほど前から売り出されている朱赤のロングワンピースを、思い立って試着する。

1980s électre ワンピース

色も素晴らしいけど、肩のラインとかボタンの並んだ姿とか、もうぜんぶいいよね。今まで売れていかなかったってことは、うちに来たい子ってことだ。

ヴィンテージ服の肩パッドは外しちゃう派なのだが(1980年代前半ごろまでの服は、ポリウレタンが劣化してレンガ色の粉末になっているしパッドの用を成さない)、このワンピースに限ってはつけたままにしようと思う。でないと、せっかくの肩のなだらかな曲面から流れるような縦のシルエットが台無しになる。

ブランドはélectre。いまだに劣化のない肩パッドの材質から考えても、1980年代後半あたりの品物かな。

パーマのかかったロングヘアを無造作にシニヨンにして、前ボタンは大胆に開けて足元はKedsの白、茶色のレザーの華奢で小ぶりなリュックサックまたは巾着型ポシェットを持てば、1990年ごろの雑誌に載っていたパリジェンヌの感じになるはず。そういう格好が似合う人に憧れたもんだなあ… 今でこそ自分にしか似合わないスタイルをわかって楽しんでいるけれど、若い頃は自分にないものに強烈に焦がれる傾向があった。