パリ9区(Av. Trudaine)のブロカント | 2022/04 その1

またまた4ヶ月ぶりの9区。ここのブロカントは道が広めで歩きやすいし楽しいので、必ず来ている。

Anvers駅を出て道を渡り、いつものように下りの坂道から見始める。

あまり見慣れないスタンドで、どっさりアクセサリーが入った箱の中に、赤いブレスレットを見つけた。

細かい掘り模様が施された、おそらく木製の(プラスチックの密度ではないのは明らか)ブレスレット。硬いし、ツゲとかかな…

中国か東南アジアのものだろうと思っている。サイズはちょうどだったので、買ってそのまま手首に嵌めて、先に進む。


大通り沿いを西の端まで歩き道を渡ったところで、小さなテーブルにごちゃごちゃと雑貨が並んだスタンドに目が留まる(この日はなぜか小さいスタンドばかり気になった)。

牡牛座イラスト アンティークソーサー

古いタイプのティーカップ用ソーサーだ!
しかも絵が、白い牡牛に変身したゼウスに連れ去られるエウロパ、牡牛座だよ(私は牡牛座の生まれ)。

なぜこれが古いタイプかというと、大昔は熱い紅茶をソーサーに空けて少し冷まし、ソーサーに口をつけて飲んでいたために、ソーサーに深さがあるのだ。ロンドンに長く住む目利きの知人に数年前に教えてもらった時には、たいそうびっくりしたものである。

刻印はないのだけれど、この絵の感じは、おそらく19世紀後半のCréil et Montereauのものではないか。


さらに先に数メートル進むと、ヴィンテージ服ディーラーLのスタンドがあった。
(その手前にはBのスタンドがあったのだけれど、挨拶してささっと見ただけ。Yves Saint Laurentの縞模様のセットアップが素敵なんだが、上下セット売りだし高価で手が出ない)

Lのスタンドで、どうしても気になったのはこのオブジェ…というか巻き物↓

1960年代?パンツの型紙

「富士山だ!」とLに言うと、

「Mont Fujiとか詩的なこと言う人ほかにいなかったわ、ウケる。下着のショーツの型紙だよ!」と。

あ、ほんとだ、逆さにすると、おパンツだ(と体に当ててみる私もどうかと思うが)!

Patron Gammacolorとある。Patronは「型紙」を意味するけれど、同時に「社長」の意味もある。
Lは「Patron de slip, Slip de patron !(パンツの型紙、社長のパンツ!)」と言葉遊びを面白がっていた。

なにより、巻いた形で残っているのが素晴らしい、業務用品好きにはたまらない。切ったりせずにこのままの形で、オブジェとして愛でたい。


最後にたどりついたのは、紙ものディーラーDのスタンド。

着いたとたんに、あるポスターに目が釘づけになった。

1935年Air Afriqueポスター

(額のまま購入したので、中身を出して正面から撮影するのがもうツラい)

Air Afrique(エール・フランスのアフリカ空路)の、1935年のポスターの復刻版。復刻されたのはおそらく1980年代で、Musée Air France所蔵品の印がある。ちゃんとシルクスクリーン刷りである。

A.Roquinというグラフィックデザイナーによる仕事で、もう素晴らしいとしか言いようがない。この、夕日の反射する水面の表現には感服。

(正面から見るとこういう感じ)

これは私ではなくて、夫が買った。気に入りすぎて、買わずには帰れない感じだった。