パリ4区(Pl. des Vosges)のブロカント | 2022/03 その1

約半年ぶりの、4区のブロカント。

なんだか回を重ねるごとに規模が膨らんでいっているような気がする、ここでの催しは。

いつもSaint-Paul駅の出口から始めて、大通りを東方向に進むのだけれど、最近ではBastille駅のかなり近くまでスタンドが連なるようになったので、途中でイヤになって左折してヴォージュ広場に直行。ノロノロ歩くし人は多いしで爆速で気疲れてしまうのだ。さらに、私の好きなスタンドはヴォージュ広場近辺に集中しているので、バスティーユ側の端までくまなく見たところで何かが見つかるような気もしない。

ヴィンテージ服ディーラーLのスタンドを見つける。3月にしては暑いくらいの気候で、日陰の涼しさにホッとした。

なんとなく商品を見始めたら、うっすらと輝くステキな生地の服を発見… コートだ!

花嫁衣装の着物の帯みたいなゴージャスさで、1950年代の仕立屋の仕事だそう。さすがに良いお値段で即決はせず、「明日来てまだあれば私が買うよ」とLに伝えてスタンドを去る。


紙ものディーラーDのスタンドへ。特に何も買わなかったのだけれど、19時からの彼女のお誕生日カクテルパーティーに誘ってくれたので、いつものカフェ・リエジョワを食べた後で行くよと返事する。

さて、カフェ・リエジョワを食べている間も、さっき見た豪華なコートが気になってしょうがない。ああ、もう誰かが買ってしまっただろうか。いてもたってもいられなくなり、19時には少し早いがブロカントに戻ることにした。もちろん現金を下ろしていく。

足早にLのスタンドへ行く… 途中で、見覚えのある白い毛皮のコートを着てうれしそうに歩くガタイのいい男性とすれちがう。あれは紛れもなく、Lの売っている北極狐の重量級コートだ(試着させてもらったので良く覚えている)。とうとう売れたのか!私でさえ着るとマフィアっぽくなる凄みのあるコートだったのだが、濃い髭面でガタイのいい男性が着るともう「ナルコス」に出てくるボスのようである。よく似合っていた。

さて、私の好きなコートは… まだあった!やったー!(←完全に買う気だよねこの時点で)

Lも「明日って言ってたのにもう来たんだ」と驚いている。売れたかと思ってアイス食べながら気が気じゃなかったと言うと、「値段を訊いてきた人にはべらぼうに高い金額を言っておいたから大丈夫」と。友情の計らいがうれしいねえ!

1950年代シルク金刺繍コート

クリーム色の絹に、金糸で刺繍された布。重そうに見えるのだけれど、めちゃくちゃ軽い。

もうこれは今年のベストバイ入り確実。

襟を立てるのが気に入っている。着ると誰かの結婚式に出席した人みたいになって、意味なくめでたくて良い。