車を持たず、どこに旅しても徒歩での移動を楽しむわれわれ。
長い滞在も都市部なら飽きないのだが、自然だらけの田舎では、少々苦しい時もある。
自転車があれば、遠出できるし運動にもなるしで一石二鳥だ。義父宅ガレージでの保管を快く承諾してもらえたので、アヴィニヨンのスポーツ用品店に、車で連れて行ってもらう。
約150ユーロのVTTを購入。ヘルメットや水筒などの小物も合わせると、200ユーロほどの支出。
自転車に乗るのは18年ぶり、店内試乗でうっかり転ぶんじゃないかと、内心ドキドキした。
さっそく、義父がブレーキのチューニングを。保管だけでなくメンテナンスもしてくれるとは、いたれりつくせりである。
壁際に見えるのは、義父たちの自転車。
夫の家族は自転車一族で、特に義父の弟の2人の子供(夫のイトコ姉弟)は幼少時から毎日トレーニングで、競技用ジャージ姿の方が、普段着の時間よりも長いような生活。
特に、長女は国内選手権でも常に上位保持者(3位とか4位とか)、プロのスカウトもあったらしいけれど別の道を選び、今では自転車は趣味として継続。趣味と言っても、週に何度も時速40-50kmで遠出するのだから、パワフルである。
初乗りに目指したのは義父宅より6km先の、Abbaye Saint-Michel de Frigolet大修道院。
Barbentaneを出る最初の坂道が心臓やぶり、そこさえ越せば、あとはわりと平坦。
ギアつき自転車が初めてなもので、少しでも傾斜を感じるたびにガッチャンガッチャン回して、夫を笑わせた。
車もほとんど通らず、景色(といっても雑木林か草原)を眺めながらの快適な走り。
途中、何台もの自転車乗りとすれちがうたびに挨拶を交わすのだけれど、私は呼吸に忙しくて、ぜんぜん笑顔じゃなかったかもしれない。
これが大修道院。
原型は12世紀にさかのぼり、17-18世紀までにほぼ完成。
オーガニック食材を使った料理を出す食堂があり、一般の人も入れるようだ。
この写真は、翌日の遠出の際に撮ったもので、大修道院を抜けた奥。
見張りの塔のようなものがたくさん建っている。
見張りの塔の中に、こんな文字が。
大修道院の中の教会、Notre-Dame du Bon Remèdeは予想に反してカラフルで、絵柄はアルフォンス・ミュシャを彷彿とさせる… と思ったら、ここはミュシャの活躍と同時代に装飾されたらしい。当時の流行の絵柄、ということか。
教会の土産物屋をのぞきたかったのに、なぜか入り口が見つからず、あきらめた。
さて、この大修道院からさらに7kmほど離れた、Boulbonという町に向かう。