パリ3区(rue de Bretagne)のブロカント | 2024/01 その1

8ヶ月ぶりの、パリ3区の大ブロカント。いつもは5月と11月の定期開催なのだけれど、なぜか今回は11月の回が2ヶ月延期になった(もうすぐ開催のオリンピックの影響なのか、長引く周辺工事のせいか、よくわからない)。

実は準備日である木曜日の午後にちらっと下見に行っている。ヴィンテージ服ディーラーJから「木曜日の夕方からいるし、声かけてね〜」という一斉配信メールをもらっていたので。

ブロカントの正式な開催初日の金曜日には、早起きして(めずらしく早起きをがんばる数少ない日)、はりきって出かけた。

メトロRépublique駅を出て、まずは品出し真っ最中のTの軍ものスタンドに挨拶だけして通り過ぎ、公園の手前で左折して区役所前の道を目指す。もう雨がけっこう降っている、こういう時だけ天気予報がちゃんと当たるのは、なんで?

区役所前の道の角のスタンドで足を止めた。卓上の箱の中に、見覚えのある色のガラス瓶がある。

高さが15,5cmと小さいので、ままごと用かもしれない。容量も書かれていないし、実用の業務用瓶にしては心許ない。

13年前に買った、これ↓のミニサイズだ。1920年あたりのものかな。


買った小瓶を持ってそのまま30歩進むと、ヴィンテージ服ディーラーのSが毎期スタンドを構える定位置だ。ちょうど共通の知人F(彼もヴィンテージ服ディーラー)が訪ねてきていて、しばらく3人で立ち話。

雨がいよいよ激しく降ってきた。雨宿り兼おしゃべりを延長したところで一向に雨の止む気配はないし、先に進むことにした。と言っても目に入るのは、商品に覆いを被せた色とりどりの防水シートだけである。道は強烈に狭く、人はそこそこ多いし傘は邪魔だし、こんな状況でもブロカントを覗こうというのはちょっと頭がおかしいような気もする。

端まで行って折り返し、Bretagne通りの反対側に渡る。前日にも会ったJのスタンドで少し話し、そのあと早足でBのスタンドへ。

Bからは、ずっと気にしていた友人Lの消息を教えてもらえて、これが何よりの収穫だった。電話にも出ないので、周りのみんなでめちゃくちゃ心配していたのだ。

気になる品物はあったものの、スタンドの地面に溜まった雨水を掃き出し中のBたちを邪魔するのも気が引けて、いったん帰宅。


昼食を取り、晴れ間が見えてきたのでではもう一回りしてくるか、と家を出た。ビニールシートがかかっていない状態の各スタンドを同じ順番であらためて見て回り、Bのスタンドに着く。朝に見たあの服がやっぱり気になっていたのだ、そのためにわざわざやって来た。

ジャーン!ジャンプスーーーーーツ!

色はまさに作業着のブルーなのだが、ウールとアクリルの混紡と思われる布帛で作られている。

地面は濡れているし、つなぎを試着するのはめちゃくちゃ面倒なので、メジャーの出番。私は自分のツナギの股上最適サイズをメモしてあるのだ。あらゆる動きを楽に行える長さは、実際の股上よりも長くなる。ぎりぎりの股上のつなぎを着ると、直立不動の姿勢で静止していることしかできない。

測っているとBが「それの前の持ち主を知っているからわかるけど、あなたのサイズだよそれ」と言う。「え、これ着てたの日本人なの?」と訊くと、彼女の母上だと。へー、私みたいな体格だったんだ、Bのお母さん。とにかく股上の長さはOKだったので、買って帰宅。彼女の言うとおり、ちゃんと私のサイズだった。

袖口と裾の始末が素人目にも粗かったので、解いてやり直した。ついでにほつれかけた箇所も補強縫い。街の仕立て屋が作ったのか、それとも裁縫が得意な人が頼まれて作ったのか。

さらに前の合わせの内側、ぎりぎり見えないところにスナップボタンも付け足しておいた。これでジッパーを開けて前身頃を半分だらりと落とした着方もできる。

手洗いしたら手が真っ青に染まった。やはり1980年代あたりの布って色留めがほぼされていないもんなんだな。

翌々週末には着て出かけた。斜めにシュッと走るジッパーの醸し出す、宇宙船クルー感が最高。