AとEとSのヴィンテージ服ディーラー3人が、パリの北マレ地区で合同ポップアップストアを開催。わたしはもちろん初日に行った。この3名の組み合わせは初めてで、なんだか新鮮だ。
着いたらすでに常連のお客さんで賑わっていた。Sはスチーマー掛けの真っ最中。
ディーラーAのラックで白っぽいジャンプスーツを見つけた… のだが、試着したら思っていたよりかなり大きくて、泣く泣く断念。身長が180cmくらいあれば、さぞカッコよく着られただろう。
いっぽう、Sの商品から選んだデニムのジャケットはサイズぴったりだった。
遠目にはミュグレーやアライアっぽい雰囲気すら感じるデザイン(人間は見たいものを勝手に見い出す願望の権化なのだよ)の、おそらく若者向け廉価メーカーの品。
色落ちしまくって凄味のある白さになっているけれど、相変わらず生地は厚くて丈夫だ。
1980年代のデニムは分厚くてしっかりしていて心強いね。そのぶん乾きにくいけど。
最後にもう一巡、としつこく見ていたEのコーナーで、気になったトップを2つ着てみる。そのうちの1つがこれ。
Cacharelのメンズで、1980年代にアメリカで販売されていたもの。Eは主にLos Angelesで商品を仕入れていて、これもあちらからはるばるやってきた1着。
身頃と袖が一体のコウモリ袖カッティングだと思い込んでいたのだが、よく見るとちがう。ライラック色の帯の部分から下に向かって、袖の接合部分が見られる。肩線はヌルッと袖まで繋がっているので、ほぼコウモリ袖、と呼ぼう。
タグには中国で縫製と書かれている(Cacharelでこれはたぶんレアなのでは)。縫製がめちゃくちゃ丁寧でびっくりする。
映画「リーサル・ウェポン」シリーズの初期(1987年)の頃の、長めカーリーヘアのメル・ギブソンが休日に着ていそうな雰囲気の服だね!
上品で小さな襟、袖のグラフィカルな美しさ、カラーリングの完璧さよ。おまけに大きなポケットまで付いてるし。
メンズなので試しに夫に着せてみたら、なかなか似合っていた。