パリ16区(Av. du Président-Wilson)のブロカント | 2017/09

前日に会った時に「明日は16区にいい地図を持っていくよ!」とDに予告されたら行かないという手はない。夫と2人、メトロでパリを横断してはるばる出かけた。

駅に近い側の端にあったスタンドで、書類が乱雑に詰まった箱を見ていたら、賞状のようなものを発見。
公教育及び美術及び祭礼の省(どうやら現在の国民教育省と文化省を合わせたような感じ)によって発行された、ある女性教授の受勲を証明する書類だ。パリ市の教育機関でデッサンの教授を務めるポワトヴァン・エレオノール=アリス=ステファニー氏に教育功労勲章(Officier d’Académieなので、フランス学士院の芸術アカデミーでは上から2番目の序列に当たるはず)受勲、と書かれている。

1906年の発行。中央に縦方向の透かし文字、左下には管轄省のエンボス印と、公文書偽造を防ぐための当時の工夫が見られる。

目的のDのスタンドへ行くと、件の地図が堂々と飾られていた。

1920年の地図だと彼女は言うのだが、数日前に別の地図の年代を調べる際に手がかりにしたメトロの駅をメモしてあったので、それを頼りに年代を正確に特定。6番線があるので1909年以降、13番線のLiège駅がBerlin駅という名前だったのは1914年までなので、1909年から1914年までの期間に発行された地図だ。

前回買った地図より1バージョン前のものというところか。
薄いオレンジ色に青色と黒色の組み合わせの3色刷りで、線の強弱の表現が豊か。第1次世界大戦前の地図の方が、戦後すぐのものよりも贅沢に作られていた、という風にも見える。戦争の前後での国の財政事情の変化を静かに語っているかのような。サイズもこちらの古い方がやや大きくて、紙は薄いものの艶がありなめらかである。

地図の下方には20の区分けと、各区内での地域分け、さらにはそれぞれの地域の面積まで載っている。パリの輪郭が城壁の形にデザインされているのも、昔のリアルな姿をなぞっていて面白い。