大学時代の友人であるFさん夫妻が、出張のついでにパリに。
されど再会の日は日曜日で、行きたいレストランは休業日である。
観光地の有名カフェなら年中無休。サンジェルマン・デ・プレ地区のCafé de Floreで食事することにした。
大勢の客でごった返す日曜日の13時半。列に並んで10分ほど待つと、2階に案内された。久しぶりに来たけれど、メニューは変わらず。
一流のカフェのギャルソンは、客の注文をメモするなんて無粋な事はしない。
1度言えばソラで覚えて、口頭で繰り返して確認なんていう野暮もなし。
ふるまいは優雅でテキパキ、舞台上の役者を見ているかのよう。
名物のクラブサンドイッチ、海老とグレープフルーツのサラダ、フォアグラトーストを3人で適当に分ける。グラスの白、Pouilly fumée Ladoucetteをお供に。
メニューを見ると、クラブサンドイッチの真下にLe Club Rykielという名の料理が。
なんでも、「裸のクラブサンドイッチ」だそうで、パン抜きマヨネーズ抜き、中身の具だけにマスタードとケチャップを添えたもの。価格は普通のクラブサンドイッチと同じ。
ニットの女王ソニア・リキエルが、毎週このフロールの2階で、スタッフミーティングを開いていたのは知っていたが… パンなしのサンドイッチを食べるのか。
フォアグラについてきたブリオッシュのトーストが、これまたおいしかった。
食後は文教地区カルチェ・ラタンを散歩し、成り行きでパンテオンに入った(「文化遺産の日」の一般公開)。
歩き疲れて、ボナパルト通りLaduréeの行列についたはいいものの、貸し切りパーティーのせいで8席しか空きがない所に20人待ちと告げられる!いくらなんでも待てないので、はす向かいの普通のカフェに入ってやっと休憩。学生時代の懐かしい面々の話で、おおいに盛り上がる。
散歩とカフェ休憩の繰り返しが、パリでの休日の最高の過ごし方。
人間観察しているだけで、何本か映画を観たような気分になる。F夫妻、ごちそうさまでした、また来てね!