真円で深遠なスカート

東京の有名ヴィンテージ店が、3月のファッションウィーク中にパリでポップアップストアを開くと知り、季節労働の合間に早足で寄ることにした。

訪問の目的は、ある書籍のサンプル閲覧だ。でもラックに掛かってずらりと並ぶ洋服を、見ないで去るわけにはいかない。書籍しか展示しないもんだと思い込んでいたよ… そんなわけあるかいな。

さすがの品ぞろえで状態もピカイチ、見ているだけで楽しい… が、欲しい服が見つかるんだな、おそろしいことに。

他にお客さんもいなかったのでささっと試着させてもらい、これは買っておかなければと3秒で決意。

ジャーン!
円。

Comme des Garçonsの2002年秋冬の、スカート!

こんなの実際に見ちゃったらもう買うしかない着るしかない。平たく畳んで仕舞えて、アイロン掛けしやすくて、ということは旅行にも良い。

うれしすぎて翌日にさっそく着て出かけた。

円を重ねているだけに見えて、ウエスト部分のワイヤーというか芯地のあしらい方は絶妙で、着姿が美しく見えるように構築されている。大きな特製の額に入れて壁に飾りたいような、頻繁に纏って見せびらかしたいような、ジレンマを抱えたスカートだ。脱いだ後に椅子の背にラフに掛けた様子も、さぞかし美しいだろう。

ひさしぶりに鼓動がバクバクと耳まで上がってくるような服と対面した。