半年近くぶりの、パリ9区のブロカント。そうだそうだ前回は、おっそろしくカッコいいブルゾンを見つけたんだった。
期待していたよりもスタンド数が少なくて、小規模のブロカントだった。
紙ものディーラーDのところで、夫が何やら熱心に選んでいる。私もなんとなく便乗して選んでみた。なんなら支払いも便乗しておいた。

1951年または1953年発行の「Air France Revue」誌内の広告ページ。
「Air France Revue」は、1930年に月刊誌として発刊されたAir France航空の機内誌。1935年に年4回発行になり、1970年代まで同誌名で続いた(その後、月刊誌Air France Atlasになり、1997年にはAir France Magazineと誌名を変える。ちなみに2026年現在の誌名はEnVolsらしい)。
なぜ年代が特定できないかというと、1951年と1953年の雑誌をバラして混ぜてしまったから(Dが)。
右上に小さく記載のR. L. Dupuyは、1928年にRoger-Louis Dupuyによって起業された、フランス広告業界のパイオニア的な広告代理店である。意外に遅かったんだね、広告代理店の誕生時期が(日本の方が早い)。
イラストはOleg Zingerによる作品。彼はロシア系移民で、1948年にR. L. Dupuy社の一員となり、1962年に退社するまでの間に数多くの広告イラストを残している。Danoneの仕事が特に有名らしい。
ここ数年、私の父は絵の下描きの際にContéの鉛筆を気に入って使っているそうで、もしフランスで買えるなら1本欲しいと言われたのが去年のこと。調べてみると、今でも大きめの画材屋に行けば売っている。しかも芯の硬さが何種類もあって、選ぶのが大変である。
さてこのContéの鉛筆、私が美大受験予備校でのデッサン用に使っていた鉛筆箱に入っていたと父が言うのだが、私はおそらく、父が美大生時代に使っていた鉛筆ストックの中から見つけ出して勝手に使っていたような気がするんだよな(遠い昔すぎて記憶が曖昧。でも予備校提携の画材店ではFaber-CastellかStaedtlerの鉛筆しか扱いがなかったような)。
広告中のコピー部分には「世界の32の国々で販売中」とあり、国旗のイラストが描かれている。日本の国旗もあるということは、1950年代から日本で流通していたってことか。
雑誌のページなので、裏面にも広告があった。

Bouchard Ainé et filsという現在も存続しているワイン製造者の広告。1750年創業か… あと24年続けば300年の老舗だ。
明らかに素人が描いた様子の、弱々しい鉛筆のドローイングが味わい深い。鉛筆の広告の裏に鉛筆画とは、偶然にしてはなかなか気が利いている。