パリ14区(Bd. du Montparnasse)のブロカント | 2019/12

1年ぶりの14区。大きなストライキ中で、土曜日午後の電車の本数は半分に減っていたので、めずらしく事前に時刻表を確認してから出かけた。

まずは軍ものディーラーGのところで、フランス軍のM47パンツを購入(毎度同じ絵になるので写真は割愛)。

サイズ表記は35。ポップアップストアに毎年来てくださっている、あるお客様の希望サイズにぴったりだった。樹脂製ボタンのフライ・フロントで、最上部の2個のボタンも比翼デザインなので、1951年から1952年のモデルだと思う。


ヴィンテージ服ディーラーLのスタンドでは、女性用の室内着を買う。

1910年代アイリッシュ・クロッシェ・レースの部屋着

1910年ごろの品で、上部に細やかなアイリッシュ・クロッシェ・レースが施されている。

1910年代のアイリッシュ・クロッシェ・レース

薄くて柔らかい、内側から光るような印象のコットン地だ。


本来は動物の角で作られたはず(前に買ったこれとかこれ)の匙部分が、木製のものに挿げ替えられているのがおもしろいと思って買ったスプーン。

スプーン

銀メッキの柄部分は第二帝政様式なので、もともとは19世紀末から20世紀初頭あたりの品だったのかと。


紙ものディーラーDのところに、心惹かれる銅版画があった。

Pierre DESBOISの銅版画1929年

サインの横に1929という数字が読める。

一見なんでもない、ありふれた田舎の室内の様子なのに、黒光りする木の手すりに外の光が当たってまぶしく反射するさまや、地面ちかくの少し湿った空気、ひんやりと過ごしやすい陰の空間が感じられる黒の階調表現が素晴らしい。他にもパリの風景を描いた作品などがあったのだが、この最高に地味な1枚だけが気に入って、購入を決めた。

帰宅してから調べて、パリで活躍した画家・木版及び銅版画家であったピエール・デボワ(Pierre François Alexandre DESBOIS, 1873-1939)の作品だということを知る。なかなか有名な画家だったと見え、フランス国立図書館にも蔵書があるようだ。