祖父の軍隊手牒

昨年秋の日本滞在中に、祖父の軍隊手帳を見せてもらった。

遺品の整理をしている時に、母が見つけて保管したのだという。

最初の方は朱文字で「勅諭」が続いて、

その次に「勅語」。

続いて今度は黒い文字で「軍隊手牒ニ係ル心得」

「應召及出征時ノ心得」

祖父が飛行兵だった、ということを初めて知った。

小学生の時に、祖父母に戦争体験をインタビューしてレポートにまとめるという宿題があったのだけれど(いま思い返すと、なんて残酷な宿題だったんだろうと思う。おじいちゃんごめんね)、その時には詳しい所属だとかは訊かなかった気がする。または、私が覚えていないか。

派遣先への出発日、到着日、部隊への配属日、全てがもれなく記載されている。

東南アジアで病気にかかって生死をさまよったという話は生前に本人から聞いた(ていねいに手紙を書いてくれた)ので、よく覚えている。