パリ3区(rue de Bretagne)のブロカント | 2019/05 後編

3区の大ブロカント、2日目。

Tのところで、フランス軍の名品パンツM47を買う。
マルタン・マルジェラのランウェイで使用された逸話で有名な、あの極太でエレガントなパンツ。

サイズ表記は13(十の位の数字が長さ、一の位の数字がウエストサイズ。数字が小さい方がサイズも小さい)なのでかなり大きいかと思ったけれど、実際には44くらいかと。

ウエスト前の表に出た樹脂製ボタンが1つで、布地はヘリンボーン織りなので、1962年以降の「後期バージョン」。裾はカットしなくて良い、またはひとつ折りで良い長さ(これ裾がカッコいいので、切ったら意味がない)。
秋の神戸でのポップアップストアに持っていく予定です。


前日に白いカットワーク刺繍のトップを買ったスタンドで、長いスカートのようなものを見つけた。

1910年ごろのフランスのジュポンだと言われた。
横幅が長さの4倍くらいある布地が輪になっていて、ウエストを紐で絞れるようになっている。1枚ではなく途中で継ぎ足して接いであり、ペンシルスカートなら2着は作れると思う。

赤のラインは織られているのだけれど、とてもくっきりしているので、遠目にはペイントかと思ったくらい。

ヴィンテージドレス専門のLによると、ジュポンにしては形が変だから、家具のカバーとかだったのでは、と。

この後に寄ったヴィンテージ服屋の店主曰く、フランスというよりは東欧のスカートっぽい、と。

謎の多いスカート(とりあえずスカートということにしておく)なのだが、帰宅して自分で穿いてみて、やっぱりこれは家具カバーなどではなくて、着るものだろうと思った。

1910年ごろの婦人のスカートは長くてボリュームがあったはず。そのスカートを汚さないように、上から穿いたカバー、またはエプロンスカート、と考えると納得がいく。


趣味のいい小物を売るLのスタンドに行く。
半年ぶりなので少し長く喋り、次回は1年後まで来ないかもとかいうので寂しいなと思っていたら、カフェの価格表が目に留まった。

1930年代のもので未使用。現代のホワイトボードのように、なんども消して書き直すことができる。

何よりも面白いのは、これが紙製だという点。持ってみて、その軽さにびっくりした。戦後は金属板に取って代わられたので、この特殊コート印刷技術で作られた価格表は、とても珍しいのだという。

カフェの業務用品というだけでうれしいのに、素材まで特別だった。


出店前にはお知らせメールをくれる女性のスタンドで、古いOrcivalのカットソーを見つけた。状態はかなり良いので、ほとんど着られなかったものではないかと思う。

海軍仕様じゃなさそうなので、大衆向けにブランディングを始めた1970年代あたりかな。