36ヶ月熟成と48ヶ月熟成のコンテチーズ

毎年クリスマス時期に必ず買い求める、Compté du Noël(クリスマスのコンテ)と呼ばれる30ヶ月熟成のコンテ。一般的な6-12ヶ月熟成ものでは物足りない私たちは、24-30ヶ月熟成のコンテを見つけたら、迷わず買う。

久しぶりに立ち寄ったチーズ熟成士の名店Marie-Anne Cantin
宝飾品のごとく並ぶ数々のチーズの中、黄金色に輝く36ヶ月熟成のコンテを発見。

その隣には、なんと48ヶ月熟成の塊が鎮座!
「ここまでの長時間熟成コンテは、滅多に市場に出ない」という日本人熟成士の丁寧な説明の間も、目は黄金色の2つの塊にクギづけである。

もちろん買って帰った、36ヶ月熟成(写真奥)と、48ヶ月熟成のコンテ。
この結晶ジャリジャリ感!熟成が進むと現れるこのジャリジャリ、たまらなく美味しいのだ。

まず若い方、36ヶ月熟成の方から味見。
クリーム感というか、バターのようなねっとり感、ビロードのような質感。
鼻に抜ける馥郁とした香りは、ロックフォールを思わせる濃厚な青い微生物発酵臭に、熟して乾いた木の実の香りが半々で混ざったような感じ。「Mmmmm !」と獣のような声しか出せず、黙々と食べる2人。

そして、史上初体験の48ヶ月熟成。
青みの全くない黄色、外皮に向かって美しいグラデーションで栗色に。

食べてびっくり、この味と香りはどこかで知っている、日本の… ゴボウ!
このチーズ、かすかにゴボウの香りがする!まるで有機物が微生物分解で土に還るように、熟成が極点に近づいたチーズからも土に近い香りがする、そう考えると面白い!

ゴボウを食べる習慣を持たないフランス人の夫には「土のついた植物の根の香り」という表現で共感が得られた、やっぱりゴボウだね。かすかな苦みと、鼻に抜ける湿った枯れ葉のような深い香り。相当の通好み(=変わり者とも言う)なチーズ。

ワインも今回は無難にCôtes-du-rhôneの赤にしたけれど、ポルト酒や貴腐ワインでも試してみたい。

2 Comments

フランス在住でおなじく熟成したコンテ大好きです、、、が私も36ヶ月どまり。48ヶ月コンテのレポート大変興味深かったです!ありがとうございます!!

にゃんこさんもコンテがお好きなんですね、お仲間発見!
48ヶ月ものはなんというか、大人の複雑な色香というか、そういう味でした。機会があったらぜひ試してみてください~!

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