Sébastien GaudardのGalette des Rois | 2016

かれこれ3年ほど食べていないらしい、ガレット・デ・ロワ。
最近では2ヶ月もフライングして11月から売り始めるチェーン店もあり、それはなんだか興ざめである。

1月6日のエピファニー節に正しく食べようと思ったが(クリスチャンでもないのに律儀)、なかなか好きなタイプのガレットが見つからず、3日遅れで食す。

1月のおやつは毎日ガレットという猛者もいると聞くが、私はおいしいのを1回食べられたら、それで満足だ。

モンブランが有名なセバスチャン・ゴダールの、フランジパンのガレット(最少の4人前サイズ)。ムラなく美しい焼き色、表面の模様もビシッと決まっていて気持ちいい。

19世紀のパリ名所飾り皿(直径36,5cm)に載せて、まずは堂々たる姿を堪能。

いざ、緊張しつつナイフを入れてびっくり。
素晴らしくサクサク、かつしっとりキメ細かく、まさに刃が吸い付くように切れる(IKEAの普通のナイフなのに)!こんなパイ入刀体験は、生まれて初めてだ。

4人前ガレットを2人で食べるので、半分を1/4サイズにカット。2人して恍惚の表情でゆっくり食べ、そして誰にもフェーヴは当たらなかった。

「もう半分も今、食べちゃう?」と、残り半分を2等分して2回戦。
中のフランジパン(アーモンドクリーム)も上品な甘さで、適度に空気を含んでいて軽い。

なんというか、これを食べている間は、「聡明で美人の富豪」に変身する錯覚をおぼえる、そんな味なのだ。または、続けて2度3度食べるとバチが当たりそうな気がする、そんな味。

フェーヴは私に当たった。
17世紀生まれの模様Cubes sans fondのタイル(店舗の床に使われている)のミニチュア、5色あるらしい中で私の1番欲しかった水色だ。幸先いいな!