パリ11区(Bd. Richard-Lenoir)のブロカント | 2021/02

なんと1年ぶりの訪問だった、11区のブロカント。

雨が降る前にささっと見ようと思って現地に着いたとたん、降り出した。それもけっこうな降りである。

こんなに降り方になるとは思わず、ハイヒールのロングブーツなぞ履いてきてしまい、レザーが傷むのではと心配した(防水スプレーは思い切り噴射してきたものの)。

友人Tの軍物スタンドで雨宿りさせてもらいつつ喋っていると、どんどんスタンドが狭くなってくる。
雨が止む気配が微塵もないので、Tのアシスタントがテキパキと、外に出ていた商品ラックをテント内に移動させているのだ。濡れたウールの匂いが鼻先をかすめて、まるでクローゼットの中にいるような感じでちょっと楽しい気もする。

めずらしく白いカットソーが売られているなと思い触ったら、なかなか上質のウール。自分のサイズを探して箱の中を漁っていると、Tが「東ドイツ軍のパジャマだよ」と教えてくれた。そりゃめずらしい。

東ドイツ軍のパジャマ

NVAはNationale Volksarmeeの頭文字をとった略称で、1956年から1990年まで存在した東ドイツ共和国軍のこと。

縫製はていねいだし、形もいいし、何よりこのウールの質!こんないいのはもう民間品でも作ってくれないね、今じゃ。
保存状態などから、1980年代あたりのものかなと推定。

最近は日中に気温が上がる日も多く、そうするとすぐに中央暖房が切られてしまって夜の寝室が寒いのだが、これを着たら快適で、文字どおり熟睡した。

そうだよね、これくらいいいパジャマでしっかり眠れないと、軍人のみなさんの士気も上がらないよね…