パリ14区(Av. du Général Leclerc)のブロカント | 2020/07 その2

特に用事もなかったので、前日に訪れた14区のブロカントにまた行ってみた。

見るだけ見るだけ、散歩散歩…と思っていたら、ラックにかかった服が激安で投げ売りされているスタンドを発見。こんなの昨日は見なかったぞ。

2着選んだ。1着は1980年代のものと思われる、白いヘチマ襟みたいなジャケット。

1980年代ワークジャケット

ほぼ未着用という感じ。肩パッドが縫いつけられていたけれど、邪魔なので外した。

真っ白な綿地にタグの素っ気なさから、これはワークジャケットだと確信したのだが、肩パッドつきとは… あ、高級ホテルのレストランのサービス係の研修生とか、そういう需要があるか。仕事着でもビシッと格好よく見せなければならない職場が。

もう1着はなんとびっくり、エミリオ・プッチのワンピースである。

2000年代エミリオ・プッチのワンピース

ロゴとタグ表記の様子から、2003年から2005年までのクリスチャン・ラクロワがアート・デイレクションをしていた時代の品だと思う。

後ろ身頃に留め金具があって、背中が少し見えるデザイン。

あちこちがオレンジ色のシミだらけで、気の毒なくらい薄汚れていた。1度も洗濯してもらえなかったんだね…

帰宅してシミ抜きをして、手洗いして干して(ドライクリーニング指定だけれど、5分以内の短時間の手洗いなら色落ちはない)、翌日にネットに入れて洗濯機で洗った。

洗濯機で洗うのは大失敗だった、背中の金具が擦れて、数ヶ所に小さい穴が発生してしまった。艶のあるヴィスコース素材って摩擦には超デリケートなのね、アイロン温度は110度までいけるのに。

それと、シミ抜きの時に気が焦って強めにこすってしまった場所にも小さな穴(ささくれだった指先で撫でたら一発で穴が空きそうな気がしてきた)。洗濯しても落ちなかった、コーヒーをこぼした跡のような薄い大きなシミ。はてどうしたものか。格安だったとはいえ、できれば着たい。

穴は似たような色の糸で修復しつつ、地の模様に馴染むように流線型の刺繍にし、薄くて大きなシミも刺繍で覆ってみた。

まあまあいいんじゃないだろうか?遠目にはわからないし(この画像の上の方のピンク色のキワに刺繍あり)。


最後に、ヴィンテージ服ディーラーLのスタンドへあいさつに寄る。

Lのスタンドで委託販売をしている男性が、トランクに詰めた商品を出して商談の最中だったので、邪魔しないようにラックを端から見るともなしに見ていた(昨日ぜんぶ見たし)。すると、昨日は無かった白い素敵なブラウスがあるではないか。これはもしや…と思ったらビンゴ、Saint Laurent rive gaucheのタグだ。

1980年代Saint Laurent rive gaucheのリネンブラウス

サンローランはこの形のブラウスを何度か発表していて、コットンとポリエステル製ものは写真で見たことがある。

スクエアネックは大好きだし、白いリネン製なんて最高ではないか。

Lに「これ昨日なかったよね?」と言うと、小声で「私のストックじゃないからだよ!いま出したばっかり」と。今いる委託の男性が持ってきたばかりの品物ってことだ。

2日連続で同じスタンドに行っても発見があるなんて、ブロカントの神様がついている。

買った時はうっすらピンクだった(洗濯時の色移りのような印象)ので、軽く漂白してから洗濯した。これで元の生成りっぽい白に戻ったと思う。

これにティエリー・ミュグレーの黒のサーキュラースカートを合わせたら、倒れそうにカッコいいだろうな。