Cerruti 1881のペンシルスカート

ブロカントはまだ本格的には再開していないので、3月17日から5月11日までの外出禁止令の間に買った服のことを書いておこう。

Cerruti 1881のペンシルスカート。

ふくらはぎ丈のタイトスカートとブーツを合わせるのが好きで、同じような形のスカートを何枚も所有している。このスカートの画像を見た瞬間に飛び起きてメジャーを取りに行き、いちばん気に入っているドリス・ヴァン・ノッテンのスカートとのサイズ比較をした。ほぼ同じだったのでこれは買いだ、と即決。

1ヶ月以上は待つことになるのだろうと思ったら、3週間ほどで届いた。意外に早かった。

一瞬リネンかなと思ったくらい、滑らかで張りのあるウール地で、深いエメラルドグリーンと白の細いストライプ。スカートの形と洗濯タグの様式から、1990年代の品物だろうと思う。

Cerruti 1881の創業者ニノ・チェルッティの祖父は、イタリアのピエモンテ地方で1881年創業のウール紡績・織布(フランネル、ツイード、エタミンなどを織っていた)工房Lanificio Fratelli Cerrutiを経営していた。

家業の3代目経営者となったニノは研究熱心で、高級スーツに使われるSuper100(羊毛1kgで100kmの糸を作る)の技術開発に成功した。由緒正しい生地屋さんにルーツを持つブランドだったのか、知らなかった。

1967年に紳士服Cerrutiブランドがパリで始動、1976年には婦人服のコレクションも加わった。ブランド誕生当初から映画用コスチュームの依頼も多く、「ボニー&クライド(1967年)」のフェイ・ダナウェイ、「プリティー・ウーマン(1990年)」のリチャード・ギア、「氷の微笑(1994年)」のマイケル・ダグラスを始め、多数の作品に衣装を提供した。もちろんフランスの有名俳優たちも例外ではない。そして、なんとニノ本人もハリウッド映画3作品ほどに登場を果たしている。たしかにとても目力の強い、映画向きの顔立ちの男性だ。

デザイナー本人は2000年にブランドを売却し(祖父の代から受け継ぐ紡績・織布工房以外)、さらに2010年からは中国資本下になった。

いやはや、研究熱心な生地オタクが作った服だから、こんな素晴らしい生地なんだな。