パリ2区(Pl. de la Bourse)のブロカント | 2018/03

金ピカの橋の下のブロカントからメトロで移動して、パリ2区のBourse駅へ。
ここはいつも出店者が少ないので、ヴィンテージ服専門のLのスタンドはすぐ見つかった。

華やかで目立つ2人組がLと親しげに談笑しつつ、アール・デコ時代のコートの試着などをしている。ピガールの社交場を夜な夜な優雅に練り歩いていそうな、ゴージャスな髪型と着こなし。かなりゆっくりとした話し方、フォーマルな微笑み。彼女らが歩いた跡には、良い香りの金粉が舞い落ちてきそうな…「夜の蝶」とは、このことか。まだ日本に住んでいた頃に強烈に心焦がれた、古い映画で見たパリジャンの姿そのままである。というか、この人たち、以前にテレビで見たことがあるような気がしないでもない。

ヴィンテージ服をチェックしながら、どうしてもこの2人組が気になってしまう。失礼にならない程度に気をつけて、チラチラと遠くから見ていた。他人に見られることに慣れているというか、見られる快感を楽しんでいる様子なので、やはり有名な人たちなのかもしれない。男性の方は髭の造形が芸術的で、ステッキが異常に似合っている。頭のてっぺんからつま先まで、全く隙がない。目が離せない。

そうこうしてスタンドのラックを3周ほどした時に、やたらと手触りの良いスカートの存在に気づく。

ネップツイード生地の8枚ハギのスカート。左前に何かが引っ掛かると思ったら、シャネルのロゴマークの金具だった。

黒いシルクとウールの混紡地に、ブルー系のナイロン糸の組み合わせ。生地デザインの様子から、1980年代後半から1990年代のものかな、と見当(シャネルのコレクション変遷を逐一追ってはいないので、あまり自信ないけど)。

ハンガーから外して体に当ててみると、かなり大きいサイズである。でもこんな手触りの良い生地を触ってしまったら、もう離れられない。ローライズで履けば大丈夫という楽観が勝ち、現金を下ろして購入。

帰宅して試着してみたら、骨盤で引っ掛けて履くというよりも、今にもヒップからずり落ちそうなくらい大きい。これでは外出できない。裏返すと、裏地の縫い方が異常に雑で、これはシャネルのアトリエの仕事ではないな、と気づく。前の持ち主が、縫い代をギリギリまで縮めて、サイズアップをしたようだ。コンシールファスナーの付いた後ろ中央2枚の縫合部分だけは無傷であるものの、その他の全ての縫い代が狭められて、合計で12cmほどサイズが大きくなっている。そりゃでっかいわ。

プロの修理人を探して頼もうかと思ったが、探して選んで予約するまでが大変そうなので、自分でやることにした。シャネルのスカートを分解する機会もそうそうないと思うし、自分の服だからゆっくり進めればいい。

結局4日間を費やし、12cmのサイズ詰め(=元のサイズに復帰)に成功。一番難しいのは糸を解く作業、黒地に黒糸での縫製なので、布を傷めないように慎重に、カッターの刃をごく軽く当てていく。表地のツイードよりもさらに難儀したのが、裏地のシルク。ちょっとでも刃が滑ると布まで切れてしまうのだが、ハサミの刃は入らないくらいの細かい縫い目(リッパーを買うべきだな)。

4月前半の寒い日に、1度は履いて外出できて満足した。また秋になったら履くのが楽しみ。

2 Comments

  1. Corvallis

    自分で直されたんですね!
    履いている写真を見せてほしいです!

    • パリ彩々。

      衣替えで冬物を仕舞ったところなので、また秋に履いた時に撮ってみます!