パリ19区(Av. Secrétan)のブロカント | 2014/08

13区の高架下ブロカントを見終えた後、19区へ移動。

古い写真を4枚。箱に大量に入っていた中から、30分ほどかけて探した。

町の音楽会(?)の写真。左側にいる少年が、上半身を乗り出して奏者の譜面を覗き込んでいる。1952年夏、と裏面に記載あり。

これは、誰ひとりとしてレンズの方を向いていないのが、シュールで好きな1枚。なんとなく、ジャック・タチの映画のシーンを彷彿とさせる、ユーモラスでシニカルな光景。裏には、1957年8月17日の文字。

男性6名、庭での食事風景。
中央右の男性がくわえたアルミ製の漏斗をめがけて、左隣の男性がワインのボトルを傾けている。若い男性が集まった時の悪ふざけというのは、昔も今もあまり変わらないようだ。

裏には「Brignoleの田舎でのパパ」と書かれている。南仏の田舎で過ごした休暇の思い出の1枚、さて、主役の「パパ」氏はどの人だろう。

軍服の男性、制服姿の女性、背広姿の男性。
映画「Jules et Jim(邦題『突然炎のごとく』)」を思い起こさせるシチェーションだ。
裏面には「VillefrancheのRoute de St.-Michelにて8月8日」とあり、1940年の撮影と思われる。この1枚だけ、印画紙がVelox。

ぺらぺらのワラ半紙のような紙にスミ1色印刷の、選挙人カード。
右が1950年、左が1955年発行。

なぜ投票権を示すカードに国民健康保険番号がくっついているんだろう、と思ったら、第二次世界大戦後から1955年まで、IDカードの発行がない、混乱の時代があったらしい。
その間、国民ID番号の代わりに国民健康保険番号を使って、個人の照合に当てていたのではないか、と勝手に想像してみる。
現在の選挙人カードには、「選挙人番号」と、氏名と現住所が記載されているだけで、ID番号は見当たらない。

使用フォントも面白い。長体のかかった、ちょっとあか抜けないサンセリフ体。
小文字の「y」の足に妙に色気があったりする。Frutigerが、あの美しいフォントUniversを世に出すのが2年後の1957年なので、なるほどねという感じ。

1950年には手書きだった記載事項が、1955年にはタイプ打ちになっている。タイトル文字以外の文面には、当時流行したGill Sansが使われ、少し明るい50年代の空気を感じる。