パリ13区(Bd. Auguste-Blanqui)のブロカント | 2017/04

3ヶ月ぶりの13区、Place d’Italieから延びる大通り(高架下じゃない方)沿いでのブロカント。

1週間ほど前にInstagramで偶然に見かけて「わ、いいな!」と思った器と、瓜ふたつの品を見つけた。あまりにそっくりで驚いた。

18世紀にChantilly窯で作られた、青絵の磁器。

Chantillyは上流階級の城下町。
ここの窯で作られた高品質な磁器は、貴族や富裕層の元で愛用された。
白い滑らかな地は、クレーム・シャンティイ(Crème Chantilly、泡立てた生乳のクリーム)を思わせる。

シャンティイー磁器窯の歴史は、リモージュ窯のそれよりも半世紀も古い(シャンティイ窯は1725年、リモージュ窯は1774年にそれぞれ創設。
ちなみに青絵磁器の王者である、ロイヤル・コペンハーゲンの登場は1775年、リモージュとほぼ同時)。

これはà la brindilleと呼ばれる、花の咲いた小枝を散らして配置した絵柄だ。
他にl’Œilletというナデシコ柄のシリーズも作られたそう。

裏面の刻印は、Tardyの刻印本を端から端まで見て調べた。
ベル部分が左に向いたラッパの絵で、まちがいなくシャンティイー窯の18世紀の刻印である(Tardy刻印本第2巻28ページ)。

おそらく1730年から、フランス革命前の1770年ごろの品物だと思う。
約250年間も無傷でいたとは、素晴らしい強運の持ち主。