ファースト・ドリアン・イン・パリ

昨日、生まれて初めてのドリアンを食べた。いつか試してみたいと思いつつ今まできっかけがなかったのだが、ツイッターのご縁で知り合ったSさんが「マンゴーよりドリアンの方が美味しくて感激する」と言うのを聞いて、食べたい欲が再燃。Sさんは「熟成しまくった固い山羊乳チーズ」を好む数少ない日本人仲間、きっと私もドリアンの味を好きに違いない、と妙な確信に至る。そして「パリでドリアン一緒に食べてくれる人を募集」とツイッターでつぶやいたら、「お好み娘」ことHさんが名乗りをあげてくださった!とうとう私もドリアンを食べられる!

パリ13区の中華街、某スーパーマーケット。あらかじめ偵察済みだったので目指す売り場に直行したが、パック販売のドリアンの値札が消えている。同じ場所にあった黄色い果実はドリアンではない(後で調べたら、ジャック・フルーツという果物だった。ドリアンより強烈な匂いのような気がする)とのことなので、はす向かいの巨大スーパー、Tang Frères(陳氏市場)へ行ってみる。

こちらでもパック売りが見当たらず… ドリアン丸ごと売り場で、中国人達が食べ頃の果実をどう見極めるのか暫く観察するも、さっぱりわからない。品出し担当の若い男性に「初めて食べるんだけど、いいのを選んでもらえませんか?」と頼んだら快く引き受けてくれて、1個ずつ果実を持って耳のそばで振り始めた。「振って中身が動く音がしたら、熟してるってこと」なのだって!小さめのを選んでくれたので、「これって袋に入れたまま地面に落とせば割れる?」と訊くと「いやー、でっかい包丁でザクッといかないと」との返答、困った。今すぐ食べたいんだけど。結局、売り場に1個だけあった、パクッと割れて中身が見えた状態の物を購入、9,90ユーロ/kg也。

近くの公園横の広場に移動して、ベンチにスタンバイ。
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とげっとげ!素手で持つと強烈に痛い。匂いは、思ったほど凄くはないというのが2人の感想。あえて言うならば、都市ガスの匂い。背徳的で官能的で不条理な感じのする匂いって、多分こういうの。
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出た、果肉。手で持つと崩れそうな、プニプニした物体。これを手掴みでいざ口へ。食感はクリームパンのクリームのようで、色もカスタードクリームのように黄色い。繊維と薄皮はちょっと邪魔に思えたので、果肉を吸うようにして食す。ニンニクっぽい香りもする。

「ほぉー、これが果物の王様か悪魔かと称される、あのドリアンか!」
「匂い、そんなにひどく臭くはないね(普段から中華街に通っているから免疫付いたんだろうか、期待値が高すぎたんだろうか)!」
「想像していたよりは食べられる味!」

とは言え、たくさん食べられるものではない。直径4-5cmの塊1個も食べれば、なんだか胸がいっぱい。捨てるのは嫌だし、駅までの道に物乞いの人があったら渡そうかと思って歩いたけれど、ドリアンを好みそうな中華系の物乞いの人には出会わず(というか、普段から中華系の物乞いは殆ど見たことがない)。空気が乾燥しているから、袋を2重にすれば持ち運べるかもと思って、大胆にもそのままメトロに乗ってしまった。ええもちろん知っているとも、アジア圏では、ホテルと公共交通機関への持ち込みが禁止されているってことを…

「誰かに感知されたらそのときは速やかに外に出よう」とドキドキしながら乗車したのだが、誰にも気付かれなかった。郊外線に乗り換えても無反応。駅構内の糞尿臭や、強烈に匂うチーズやソーセージに比べれば、ドリアンの匂いなんてへっちゃらなのかも知れない…

無事帰宅して、夫(ホタルイカの黒造りもタコの握りもタラの白子の天ぷらも好き。納豆は出てきたら食べるけれど、自ら進んで選んだりしない)に食べさせてみた。
「わ、タン・フレールのにおいがする」とは言うが、鼻をつまんだり逃げたりはしない。食べた感想は「クリームみたいでおもしろいけど、朝食にはやっぱりマンゴーがいい」とのこと。いや、誰も朝からこれ食べろとは言ってないよ。

食べた後の殻は、袋を2重にしてきつく縛った中に。でも時間が経つと匂いがビニール袋を通り抜けて放散されるようで、キッチンがすっかり中華街の匂いに。

ドリアンって30種類くらいあるそうで。今回食べたのはモントーン(Mon Thong)という、匂いが控え目の種類だったらしい。
お好み娘さんのお陰で、私の夏休みの自由研究が叶いました、ありがとうございます!

2 Comments

  1. azuki

    なかなかチャレンジャーですね。私はタイの河の上(船)で食べましたが
    ドリアン売りのおじちゃんが近づいてくるのが遠くからでもわかったくらい
    強烈でした。鼻をつまんでも匂いが判る程
    一口味見した後は、灯籠流しの様に川に流されていきましたwwwww

  2. paris_saisai

    azukiさん
    毎週の中華街詣でですっかり鼻が慣れてしまったのか、においは意外と大丈夫でした。マンゴーを美味しいと思えたのもこの夏が初めてなので(それまでは青生臭い感じが嫌いでした)、酷暑のお陰で南国の味への免疫がついたようです。今回食べたものは匂い控え目の種類ということで、本場のスタンダードなものを食べられるかどうかはちょっと疑問ですが…w