パリ15区(Bd. de Grenelle)のブロカント | 2016/10

知人Gのスタンドを目当てに行ってみたら、同じく顔見知りのTもLも出店していて、私の好きな売り手が全員集合した贅沢なブロカントだった。が、彼らのところでは喋り倒しただけで何も買わず(ごめんね)、別のスタンドでいいものを見つけた。

昔の学校教師が着ていた、くるぶしに届きそうな丈のコート。ボタン留めの方向から女性用であることがわかる。日本のフランス古着好き界隈では「アトリエ・コート」と呼ばれることが多いこのコートを、フランス人が見てまず思い浮かべるのは、古い映画に出てくる学校教師の姿。

アーティスト(彫刻家)のアトリエ用コートは以前、それと知らずに買ったことがあるけれど、今回見つけたコートよりもずっと丈が短い。膝丈より長いと制作作業中の足さばきが悪くなるからだろう。私が美術大学の彫刻科に在籍していた頃は、教授も講師も学生もツナギの作業着で制作していた、断然動きやすいから。洋画科と日本画科にもツナギ派が多かったような。

売り主の女性は「麻です」と言い張っていたが、麻がこんなに軽いわけもなく、明らかに綿製。未使用のデッドストックで糊が効いていたので、ゴワっとして麻っぽい手触りと言えなくもなかったけれど、洗濯したらやはりクタッと柔らかく、綿らしくなった。

黒いタグにブランド名のLe Vêtement parfait / Solidité – Qualité(完璧衣類 / 丈夫 – 上質)のロゴと、白いタグに青文字でSanforのロゴが並ぶ。このSanforというのは防縮加工を施した布地の商標名で、現在も作業着に使われている。

既製服のサイズ表記が義務化された戦後の製造品には必ずあるはずのサイズ表示タグがないので、1930年代から1940年代前半頃のものだと思われる。