パリ15区(Bd. Pasteur)のブロカント | 2016/10

9月後半のブロカントでは、これといった品物には出会えず。
郊外で毎年開催の大きなバザーが中止だとか、規模縮小だとかで、行き先の選択肢が例年より少ない。

10月の最初のブロカントで、綺麗なグラスを見つけた。

パリ市庁舎、トロカデロ宮、オペラ座、バスティーユ広場、パンテオン霊廟、ノートルダム大聖堂、凱旋門、アンヴァリッド廃兵院、マドレーヌ寺院、レピュビュリック広場、パリ証券取引所など、パリの観光名所が彫られた、いわゆる土産物グラス。

金色の大きな文字はおそらくアルファベットのJ(今もイニシャルつきのお土産物カップなどが売られているので、その手の品物だろう)、口縁にも金彩がほどこされている。

グラスの薄さや成型の精密さから、1900年から1910年くらいの品物だと思う。

売り主に値段を訊くついでに年代もたずねたら、「18世紀のものですよ」という返答にぶっとんだ。

「エッフェル塔が彫られているので、18世紀ってことはあり得ないと思います。塔の完成(1889年)後だから、古くても19世紀末では?」と言うと、「あ、まちがえました。これの隣にある紫のグラスが18世紀」と訂正された。

初めて見たスタンドだけど、いいかげんだな。
売り主がややひるんだのでチャンスと思い、値引き交渉をしたら、すんなり受け入れられた。

トロカデロ宮の建物が取り壊されて、シャイヨー宮の建設が始まるのが1937年なので、1889年〜1937年のものであるのはたしか。

今になって気づいたのだが、金文字の下方に左右対称に伸びるリボンの上に、Sèvres Déposéとある。

なんと、あのクリスタル・グラスで有名なCristal de Sèvres謹製だったとは!
金彩も綺麗に残っているし、とても良い買い物をした。