パリ15区(Bd. Pasteur)のブロカント | 2016/04

軍物スタンドを構える知人Gが、とっておきの在庫を持って行くと言うので、午前中に訪れた15区のブロカント。アメリカ海軍の珍しい制服だったのだが、そこまで気に入ったわけでもないので買わず(すでにちょっとセーラー類を持ち過ぎ、というのもある)。

以前、パッサージュのブロカントで紙類を買ったことのある女性のスタンド。そこで、港に停泊中の船の様子を描いたエッチング作品を見つけた。

73 x 90 mmと小さい絵なのに、構図がすばらしくバランスよくて、まるで宝石のような存在感。ひと目で気に入ってしまった。船に駆け寄る犬の様子が、これまたかわいい。

ルーヴル美術館のエンボス印が押されているのは、版をルーヴルが持っているということだと教わった。

1887年という制作年は読めるのだが、名前の方が分からない。EfficolleかEllicolleか、それとSt Valery。何度か綴り方や単語の組み合わせを変えて(文字をわざと減らしてみたり、色々やってみた)画像検索に挑戦していたら、似たようなタッチの犬のエッチングを発見。やった!見つけた!Emile-Frédéric Nicolleだ!

しかも、Chalcographie du Louvre(ルーヴル美術館エッチング部門)のサイト。Le chien dormant(眠る犬)という愛らしい作品の左下隅に、同じサインが確認できる。

1878年のパリ万博にも参加したというニコールのエッチング作品は、大きく2つのテーマに分かれる。ルーアンの古い街並を描いたものと、夏の休暇を何度も過ごしたSaint-Valéry-en-Cauxの港の様子を描いたもの。私が買った作品は、後者の港の方に当たるのだな。

ここまで書いて、重大なことに気づいた。
このエミール=フレデリック・ニコール、画家ジャック・ヴィヨン(本名ガストン・デュシャン)の祖父である、と。ということは、あのダダの芸術家、マルセル・デュシャンの祖父でもあるのか!なんだかすごい作品を手に入れてしまった。額装をどうしようかな。